パフォーマンス向上の秘訣:「気にかける」がもたらす劇的な変化
最近テレワークにを廃止 or 規制する企業が増えてきました。その理由はなぜだと思いますか?
理由はいくつかあると思いますが、シンプルに「パフォーマンスが落ちている」というのが大きいのではないでしょうか。
実は、職場に集まっている際、皆さんが意識せずに互いに行っているであろう“本当にちょっとしたこと”が、仕事上のパフォーマンスに大きな影響を与えていたります。
今回は、『「気にかけて貰っている感」がパフォーマンス与える大きな影響』について、海外の研究を例に紹介したいと思います。
アドバイスは内容より「気にかける」こと自体が重要
ハーバード大学で心理的安全性を研究する、エイミー・エドモンドソンのある実験をご紹介します。
この実験では被験者に非常に難解なパズルを渡すのですが、基本的に解けない様になっていて、どれだけの時間取り組むことができるか?を測定したものになります。
当然、皆途中で諦めるのですが、ある架空の人物であるスティーブから「パズルのコツを教えるよ!」と書かれたメモを渡された集団は、パズルに取り組む時間が、その他の集団よりも50%伸びることが分かりました。
ここでポイントなのは、メモに書かれたアドバイスはデタラメだったということ、そして更に興味深いのは、そのエネルギーやモチベーションが、パズルが終わった後の実験にも影響したということです。
これは、他の人が自分に「気をかけてくれている」という感覚が、私たちのパフォーマンスに、長期的かつ大きな影響を与えることを示しています。
脳は「貢献」or「自己防衛」どちらかしか選べない
次に、社会神経科学の専門家であるジェイ・ヴァン・バヴェルの研究からも、この事例を裏付ける情報が得られます。
私達はビジネスにおける様々な場面において、脳の中の扁桃体という「原始的」な部位が反応します。この部位は、二つの重要な命令を出しているのですが
ストレスホルモンを放出し「自己防衛」のための反応を促す
社会的な関係を築き、群れの結束を強化するための「貢献」反応を促す
ここで重要になるポイントは、信号の発信元が同じなので、「自己防衛」「貢献」はどちらかしか選ばれないという点です。
通常「自己防衛」の方に信号を送り易くなっており、ある研究では、日本のビジネスパーソンは就業時間の20%を誤魔化しや帳尻合わせに使っていると言われています。
重要なポイントの2つ目は、常日頃、周囲から「気にかけているよ」のシグナルを受け取っている人は、「貢献」の方への信号伝達が増えていたという点です。
この情報からも、自分を気をかけてくれるという感覚は、チームへの貢献への選択を支えることが分かります。さらに、この感覚は継続的であることが重要であり、日ごろのチームの関係性がパフォーマンスに大きな影響を与えるのです。
まとめ
チームのメンバーが「お互いに気をかけ合う」、そんな凄く小さなことだからこそ、無意識化で大きな影響を与え、チーム全体のパフォーマンス向上に繋がるのです。是非色々試してみてください!