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【社会心理学から学ぶ】人材が定着する”企業文化”の作り方
「人材が定着する職場」を作るためには、職場内に『共通した優先順位』を持たせることが大切です。
共通した優先順位を作ることで、職場内にマイナスに影響する個の感情や欲求を抑制することが可能になるからなのですが、それを”文化”として根付かせられるかがポイントになります。
今回は社会心理学の観点から、意図的に『人材が定着する文化づくり』の方法をお伝えします。
■『文化』が定着する流れを知る
文化ができる流れを簡単にまとめると下記の通りです。
①ある人物の思想・行動が「共感」「あこがれ」の元「模倣」される
②模倣されたものがミーム(文化伝達の基本 単位)として広がっていく
③様々なミームの中から、残ったものだけが文化として定着する
これを能動的な「文化づくり」に落とし込むと下記のステップが必要になります。
【①事業の目的やミッションを明確化すること】
目的やミッションは、抽象的であるが故に『共感』を生み出すものであり、単なる月間ノルマなどの具体的な目標ではなく、より深い意味を持たせる必要があります。
【②モデル人材の作成】
目的やミッションを体現するモデル人材を育成します。これは組織内で影響力のある人物であるほど効果が高まります。
【③社員がモデル人材の考え方や行動を模倣】
ただし、ここでの模倣はルールで縛るのでは無く、あくまで、モデルに対する『あこがれ』『共感』による模倣が必要です。
【➃必要な考え方や行動をルール化し徹底させる】
モデルの考え方や行動の中で、ミッションや目的を最適化するものを、ルール化し、組織全体で徹底させます。
【⑤ルールがなくても文化として残る】
ルールがなくても、社員の行動原理になるような文化が組織内に根付きます。
■全ては「モデル人材」にかかっている
これらのステップにおいて、特に重要なポイントがあります:
目的やミッションは「共感」を生むものでなければならない。
モデル人材は、他の社員が「あこがれ」る能力と、「共感」を生む人格者でなければならない。
(世のマネージャーは圧倒的に後者が苦手です笑)モデルの行動や考え方が模倣されるため、ヒューマンスキル(人間関係を構築するスキル)が問われる。
これらを踏まえると、組織文化を改善することは確かに難しい課題となりますが、その重要性を理解し、適切なアプローチで取り組むことで成果を上げることができるでしょう。
今後も、「共感を生むミッションを掲げる企業のセンス」、「モデルの優れた人格」、「モデルのヒューマンスキル」など、これらのポイントについて詳しくお伝えしていきますので、ぜひ職場の空気改善を取り組んでみてください。
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洒井 一玖(イッキ)
main-info@19coach.com