「部下のモチベーションを高める」サブリミナルなアプローチ2選
マネジャーやリーダーとして、部下のモチベーションを高めることは重要な課題です。しかし中には、
「仕事にモチベーションを持ち込む人材はいらない!」
なんて言うリーダーがいます。でもコレ、実は半分正解。
モチベーションというのは、言語化できない様なもっと深いところ、無意識下の行動や考えに影響を与えているため、ちょっとした工夫で高めることが可能なのです。
今回は海外で行われた2つの実験を元に、部下のモチベーションを高めるための重要なポイントについてお伝えします。
「評価」が“結果”を変える?
ハバード大学心理学教授ロバート・ローゼンタールが子供と教師にある実験を行いました。
それは「ハーバード式突発性学習能力予測テスト」なるものを実施し、テスト結果上位20%に入った子供たちを「特別」であると周知した上で、数年間にわたり追跡調査を行ったというもの。
結果、対象の子供は数年間、知能指数が平均の2.5倍と大きく向上するということが分かりましたが、ここで重要なのは「テストの内容と結果はでたらめであった」という点です。
成績向上の要因を調査すると以下事が分かりました。
教員がより丁寧に指導する様になっていた
教員がより学習効率を高める工夫を行っていた
教員がより目をかける様になり、応答機会が増えていた
(間違えていたときの)教員からのフィードバック量・時間が増えていた
上記により子供たちのモチベーションが上がっていた
つまり、“指導者側の思い込み”により、無意識下での育成姿勢が変わり、子供たちの成績を上げていたのです。
上司である皆さんは、今部下をどんな評価で見ていますか?
それは皆さんの育成態度にどの様な影響を与えていますか?
「働く意味」を“感じる”機会はあるか?
ペンシルベニア大学で組織心理学を教えているアダム・グラントが、成約率5%と低くストレスを抱えやすい職場である「コールセンター」のパフォーマンス改善を行った例をお伝えします。(対象は大学にあるコールセンターで、奨学金の寄付金を集めるというもの)
行ったことはたった1つ。奨学金を受け取った学生から、感謝の手紙を書いて貰い、職員に読ませたというもの。
結果、コールセンターの職員たちの電話時間が42%増加、寄付金も72%増と大きく向上しました。
この実験から得られる教訓は、「働く意味」を“感じる”機会の重要性であり、部下に日々業務をこなさせているだけでは、その機会を提供することはできないということ。
上司である皆さんは、部下がお客様の声に触れたり、社会的な意義を感じる機会を作ることができていますか?
まとめ
部下のモチベーションはちょっとした工夫、上司からの小さなシグナルで大きく変わる可能性があります。
是非色々な科学的、統計的な知識を用いながら、チーム育成をチャレンジしてみてください!