新卒採用の苦労は糧になる
皆さん、日本の企業の内、新卒採用を行っている会社がどれぐらいかご存じでしょうか?
実はたったの0.04%しかいません!
約400万社の企業が存在しますが、そのうち採用を行っているのはおおよそ250万社。新卒採用を行っている企業はその中でも約10万社で、全体の0.04%に過ぎないという計算です。
その中でも「中小企業」となれば、新卒採用を積極的に行っている企業はほぼ無いというのが現実です。
なぜこんなに少ないのでしょう?
理由はいくつかありますが、シンプルに中小企業は採れない(コストに見合わない)というのが一番大きいでしょう。
私もかつてベンチャー企業の人事担当時代、新卒採用には大変苦労しましたし、その後企業成長に合わせて人数を増やした経験も踏まえると、新卒採用は企業規模が小さいほど難しいというのが実情です。
しかし、新卒採用の苦労は、その後の成長において大きな糧となることを是非お伝えしたいと思います。特に中小企業にとって、「待遇面で関心を惹けないからこそ行った工夫」というのは必ず大きな資産になるからです。以下、新卒採用を通じて得られる価値についてお話しします。
新卒は二極化し易い
なぜ新卒採用が難しいのでしょうか?それは新卒という層が、就職や仕事というものが「分からない」ため、判断基準を持っていないことから、
●規模の大きい会社・給与のいい会社
●感覚的に印象が良かった会社
のどちらかに流れる性質が強いからです。
そして、中小企業は圧倒的に母数の少ない後者を狙う必要があります。
「良い印象・イメージ」で戦うためには積極的にコミュニケーションを取る必要があり、私も出身大学に頼み込んで、キャリア教育の講義時間を頂いたこともありますw
ただ残念なことに、この築き上げた“良さげなイメージ”は、社員の会話やしぐさ、空気感、社内の整理整頓など、本当にちょっとしたことで一気に崩れ去り内定辞退を生みます。
社員が十数人の間は、社員一丸となって新卒採用に取り組む前提があるので問題ないのですが、50人規模ぐらいの中途半端に社員数が増えると、採用に関心を持つ社員が減少し、様々なものが雑になってきます。
「採用は私(俺)の仕事じゃないので」と。
新卒採用を成功させるパターンは2つだが…
中小企業が新卒採用を成功させる方法は実は2パターンあります。
3年生初期の段階で学校へ積極的なアプローチを掛け、攻めて採る
4年生中期以降に「他社からこぼれた人材」の受け皿になる
採用確度が高いのは圧倒的に「こぼれた人材の受け皿」になる方法ですが、私はあまりお勧めしません。長期的に見たときに、彼らの中から高い評価を受ける人材は生まれなかったからです。
後々、会社の中核を担う人材になったのは、
と、3年生初期の早い段階からコチラの熱量とビジョンに強い共感を持ってくれた優秀な学生たちだったんです。
早期に優秀な学生をファン化する3つのポイント
早期からのアプローチ
経験上、初年度から優秀な学生が採れることはほぼ無く、長期的なプロジェクトになります。
社員の母校・地元の大学センターへ地道にアプローチし、「ゼミの先輩から聞いた良さそうなイメージ」が来年の採用を呼び込むといった具体です。
(※高校生の採用はルールが異なるので注意)
「一緒に叶えたい」を語る
中小企業の新卒採用において成否の9割は「一緒に叶えたい」と思えるビジョンを語れるかに掛かっています。
どうせ待遇では大手には勝てないのだから、社内の雰囲気や価値観、足りないものを率直に伝え、一緒の船に乗りたいと思わせることが大切です。成長の機会を約束する
「安定の中で、最低限の時間で働きたい」という人材はそもそも関心を示しませんw
「〇〇したい」「〇〇の様になりたい」という彼らの成長欲を刺激し、自身のキャリアを築ける環境の提供を約束することが大切です。いろんな社員に合わせる
接触する社員は多い程良いです。新卒の不安を払拭し易いことに加え、関わった社員の育成意欲が高まる傾向にあったからです。
まとめ
中小企業が新卒採用を行うことは、正直かなり大変ですが、その過程で得られる社内意識の変化などを考えるとお釣りがくるぐらいだと思います。
是非一度試してみてはいかがでしょうか!
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