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令和5年就労条件総合調査の概況<変形労働時間制>

今回は、令和5年就労条件総合調査による「変形労働時間制」です。
 
変形労働時間制を採用している企業割合は、59.3%となっています。
 
企業規模別にみると、
1,000人以上:77.3%
300~999人:68.6%
100~299人:67.9%
30~99人 :55.3%
と、規模が大きいほど採用割合が高くなっています。
 
変形労働時間制の種類(複数回答)別にみると、
「1年単位の変形労働時間制」 :31.5%
「1か月単位の変形労働時間制」 :24.0%
「フレックスタイム制」    :6.8%
と「1年単位の変形労働時間制」が最も高い割合になっています。
 
変形労働時間制の採用割合などについては、平成12年度、18年度、24年度、28年度、令和4年度に出題されています。
 
 
【 R4-2-B 】
変形労働時間制の有無を企業規模計でみると、変形労働時間制を採用している企業の割合は約6割であり、これを変形労働時間制の種類(複数回答)別にみると、「1年単位の変形労働時間制」が「1か月単位の変形労働時間制」よりも多くなっている。
 
【 H12-4-E 】
変形労働時間制やみなし労働時間制は、適切に利用するならば労働時間短縮に効果を発揮する。労働省「賃金労働時間制度等総合調査」によれば、変形労働時間制を採用している企業の割合は高まる傾向にあり、1998年において、その割合を変形労働時間制の種類別にみると、1年単位の変形労働時間制に比べフレックスタイム制の方が高い。
 
【 H28-4-C 】
フレックスタイム制を採用している企業割合は、3割を超えている。
 
【 H18-2-A 】
厚生労働省「平成17年就労条件総合調査」によると、変形労働時間制を採用している企業割合は全体では56%である。そのうち1年単位の変形労働時間制を採用している企業割合が最も多く、それを企業規模別にみると、企業規模が小さくなるほど採用割合が高い。 
 
【 H24-5-C 】
何らかの形で変形労働時間制を採用している企業割合は全体で5割強となっており、これを産業別にみると、「鉱業、採石業、砂利採取業」、「運輸業、郵便業」、「電気・ガス・熱供給・水道業」、「製造業」などの採用割合が高くなっている。
 
 
【 R4-2-B 】では、変形労働時間制の採用割合と、「1年単位の変形労働時間制」と「1か月単位の変形労働時間制」の採用割合はどちらが高いのかを論点にしていて、いずれの点も正しいです。
 
どちらの採用割合が高いのかという点は、【 H12-4-E 】でも論点にしていて、こちらは誤りです。
出題当時も、現在と同様、1年単位の変形労働時間制のほうがフレックスタイム制より採用割合は高くなっていました。
 
で、【 H28-4-C 】は、フレックスタイム制を採用している企業割合を論点にしたものですが、「3割を超えている」のは、1年単位の変形労働時間制だけです。
なので、誤りです。
採用割合が低いということを知っていれば、誤っていると推測することができなくはないところです。
 
一方、【 H18-2-A 】は正しい内容でした。
1年単位の変形労働時間制が最も採用割合が高くなっています。
また、1年単位の変形労働時間制は、企業規模が小さくなるほど採用割合が高くなっていました。
 
なお、令和5年の調査では、
企業規模別の1年単位の変形労働時間制の採用割合は、
1,000人以上:19.1%
300~999人:24.6%
100~299人:33.5%
30~ 99人:31.9%
となっており、「100~299人」が最も採用割合が高くなっています。
 
【 H24-5-C 】も正しい内容でした。
産業別の採用割合を論点にしており、ちょっと厳しい問題といえます。
この割合は、平成30年調査まで「就労条件総合調査の概況」として公表されていましたが、その後の調査では公表されていないので、これは参考程度にしておけば十分です。
 
もし公表されていたとしても、規模別の採用割合や業種別の採用割合まで押さえるというのは、ちょっときついでしょう。
 
ですので、まずは、変形労働時間制の中で採用割合が最も高いものを知っておき、余力があったとき、これにプラスした情報を押さえるようにしましょう。
 

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