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鍼灸師による、スポーツクラブ創設の企画案 vol.2
こんにちは。
来年度より神奈川県鎌倉市にて「kamakura new waves」というスポーツクラブの立ち上げを検討しております、鍼灸師の北澤と申します。
このシリーズは、鍼灸師である私が、
なぜスポーツクラブという形で事業を始めようとしているかについて、この考えに至った背景から、このクラブを通して何をしていきたいのかについて、文字起こしをしたものになります。
vol.1では、我々が普段向き合っている「治療」について、今後医療業界や介護業界で大切になってくる「予防医学」について、自身の考えとともに書いていきました。
まだご覧になっていない方はこちらからご一読ください。
vol.2では、そもそも「スポーツ」ってなんだろうというところから、なぜ「鎌倉」という土地でやっていこうと考えたのかについて書いていきたいと思います。
●「SPORTS」ってなんだ
Vol.1でお伝えした通り、「予防医学」の新しい形として、「スポーツ」を中心とした健康増進の為のクラブを作ろうと考えたのですが、
現代において「スポーツ」に対しての価値観はかなり多様化していると感じたので、このクラブにおける「スポーツ」の立ち位置はここにある、ということを伝えていきたいと思います。
「SPORTS」
あえて英語表記にて見出しを作ったのですが、これには語源を知って欲しいという考えがあった為です。
「sports」の語源はラテン語である「deportare=デポルターレ」にさかのぼるとされ、「(仕事や義務でない)気晴らしをする、楽しむ」という単語が、英語である「sport」になったとされています。
つまり「スポーツ」の本来の目的は
「気晴らしをする、楽しむ」
にあるのです。
しかし、現代の日本においては、
結果や記録を求める、いわゆる「競技スポーツ」が中心となっており、小さな頃から体育の授業や部活動などで教育を受けた影響で、
スポーツは結果を出さなくてはいけない。
スポーツは勝たなくてはいけない。
というような勝利至上主義の考えが浸透していっていると感じます。
もちろんスポーツが楽しいという理由のひとつに結果を出す、勝利をするという要素があるのですが、
運動が苦手な人、運動習慣がない人にとって、
結果や勝敗に固執したスポーツの捉え方は、
スポーツというフィールドに入っていくための大きな障壁になっています。
また、東京オリンピックでも見られたようなスポーツの極端なビジネス化や、「感動ポルノ」に似たようなメディアによる過度な切り取り方も問題だと感じており、
全てはスポーツをしている人が全力で「楽しんでいる」結果として、感動を生み、お金が発生しなければなりません。
世の中にカッコいいスポーツは沢山あり、
スーパープレーの瞬間
努力をして結果を掴んだ瞬間
チームプレーで勝利を掴んだ瞬間
など、見ている人を魅了し、感動するものは沢山あるのですが、
下手でも、ダサくても、
純粋に「楽しい」スポーツに価値が産まれてもいいのではないかと考えています。
私のスポーツクラブでは、技術や体力に関係なく、ただ単純にスポーツを楽しむ環境を提供することで、
楽しんだ結果、健康になる。
という、誰でも持続可能な健康増進の形を作っていきます。
また、メジャースポーツのサッカーやバスケだけでなく、最近話題の「ゆるスポーツ」やマイナーなスポーツにも取り組むことで、競技の普及活動や、年齢やレベルに関係なく、誰でもできるスポーツの開発を進めていきたいと考えております。
「ゆるスポーツ」については以下からご覧ください。
私も運動は得意ではないのですが、身体を動かすことは大好きなので、
来年から皆様と色々なスポーツにチャレンジできることを心から楽しみにしております。
●なぜ鎌倉なのか
私は出身が長野県、現在住んでいるのは埼玉県ということで、鎌倉という土地に縁もゆかりもありません。
知り合いがいるわけでも、協力する方がいるわけでもありません。
ではなぜ、鎌倉という土地を選んだのか、
そこには、このクラブのコンセプトと、
この土地の歴史や風土が深く関係しているためです。
神奈川県鎌倉市は相模湾に面した古都指定都市で、人口17万人に対し、コロナ禍以前の観光客が2000万人近くと、多くの人が訪れる観光都市です。
その歴史は深く、800年前の鎌倉幕府の誕生から、武家社会における中心を担い、幕府消滅後も古くから観光都市として発展を遂げてきました。
また、南を相模湾、その他の三方を山に囲まれ、「天然の要塞」と呼ばれるその風土は、現代においても保全が引き継がれ、自然と歴史が調和する街として親しまれています。
そんな鎌倉ですが、古くから武士の間で「禅宗」が支持を集め、今でも多くの禅宗寺が建立されています。
「禅宗」…坐禅によって仏道をきわめようとする仏教の宗派。
「禅」…仏教用語として「心が動揺することのなくなった状態」
-精選版 日本国語大辞典より
鎌倉時代の武家社会においても、禅を中心として雑念を払おうという考えが持たれていたところを見ると、
現代の情報に溢れた一種の仮想現実のような社会においても、本当の自分や物事の真意を見極めることは非常に大切だと感じ、
古くから大切にされてきたそのマインドを、自分自身も含めより多くの人に伝えていきたいと考えています。
kamakura new wavesでは、スポーツを中心として活動していきますが、
鎌倉の素晴らしい自然を活かして、坐禅やロックバランシング、ヨーガなども活動に取り入れることで、
身体的な面での健康だけでなく、
人間の内面的な健康も目指していきます。
以上の歴史的な背景から、日本中から観光客の訪れるこの土地にて、土地の自然を活かした健康増進のあり方を発信していきたく、
「鎌倉」という土地で活動をしていこうという考えに至りました。
●鎌倉市のかかえる問題
鎌倉という土地を選んだもう一つの理由が、
市が抱える問題の一つである、
少子高齢化問題にあります。
この問題に関しては、Vol.1にて書いたのですが、
鎌倉市においても、高度経済成長期に分譲された一部の郊外住宅地において、若者の流入による代謝が進まず、
高齢化による、地域コミュニティの衰退や、高齢者の移動困難など、日本で今後起きるであろう問題が先取りされて進んでいます。
まずはこの目の前の問題に対して、「スポーツクラブ」というベースのもと、鍼灸師やトレーナーとして向き合っていこうと考えております。
今回は「スポーツ」の本質的なところから、
なぜ「鎌倉」という土地を選んだのかについて書いていきました。
もちろん個人的な見解がほとんどなので、読んでいただいた感想や厳しいご意見など、励みになりますので是非SNSなどで反応していただけると有り難いです。
次回Vol.3では今後このクラブを通してのビジョン、地元である長野県のことについて書いていきたいと思います。
是非、次回も読んで頂けたらと思います。
ではまた。