
大規模シューターの面白さとは何か
学生時代、そこそこFPSをプレーしていた。当時は競技向けFPSというものはあまり注目されておらず、CoDかBFかどちらの派閥にいるか程度の話が多かった。
それが気がつけばVALORANTだったりAPEXだったり
競技シーンを意識したシューターが席巻するようになっていった。もうAPEXは昔ほど注目されていないか。それでもOW2とか?どちらにしてもeSportsと呼ばれる括りに入るのは間違いない。
昔からOWしかり、虹6しかりCSしかり競技性の高いFPSはあったが、今ほどカジュアルに遊ばれてるということは無かった。公平、再現性、対称性が高いゲームよりも、Pay to winの要素が大きかった。ゲームとしてはpay to winの方が破綻している気もするがそれでも注目されてたのはそういうゲームだったはずだ。
もちろん、これらのゲームは基本無料できるものであったのに対して当時、スポーツ性の高いゲームは有料だった。今考えればわざわざ有料で買ってプレーを続けるというのは難しい話だとは思うが、試合に寄与しない形で売上が立てられるなんてほとんどのゲーム会社が思わなかったから仕方ない話だ。
さて、例にも漏れず大規模シューターの代名詞とも言えるBattlefieldも有料だ。5からポリコレとeSports、バトロワという取捨選択が出来ないまま風呂敷を散らかし、挙句の果てに5の新規コンテンツ開発中止して作り上げた2042でブランドの息の根を完全にとめた。私の友人も5〜2042の間にゲームを辞めたり、別のFPS、特にスポーツ性の高いものに移っていった。次回作は基本無料にするらしいが正直後の祭りだろう。今日日シューターがやりたいだけなら色んな選択肢がある。デルタフォースという完全な互換が無料で出た今、もはや完全に用済みとも言える。
さて、前置きが長くなってしまったが、大規模シューターの魅力とはなんだろうか。"お祭りゲー"感がいいと言う声も聞くがあまりしっくり来ない。マップが広い?1マッチのプレイ人数が多い?バリエーションが豊富?ビークルが楽しい?どうもバラバラに見える。そもそもマップの広さと人数が肝であればBFはあんなにコケない。広さだけはいっちょ前にある。し、メトロッカー民などという存在も出てくることがないはずだ(あれはあれで異常だが)
自分が思う大規模シューターの楽しさは統制と無秩序だ。一件矛盾しているように思えるかもしれないが、味方敵の技量によって戦況が全く違うものになる。製作者の意図した通りにマップが機能することもあればワンサイドゲームになって蹂躙することも、逆に蹂躙されることもある。そんな中、ピタリと息を合わせたように戦力が拮抗し、前線が何の擦り合わせなしに作り上げられる時がある。この時が1番楽しい。無秩序さはそんな戦況が拮抗した状態に風穴を開けるファクターとして機能する。例えば突然ある分隊が敵の目をかいくぐり裏取りをしたり、航空優勢が取れ、前線に穴が空いたりなど今まで秩序だっていた流れは崩れ去り敵も味方もごっちゃになり拠点でぐちゃぐちゃの戦いをする。こうなったら生き残るのは立ち回りだけでは難しいし、衛生兵が必要なのにいない、だとか逆に衛生兵ばかりで工兵がおらず敵の戦車の展開に間に合わないだとか各々の選択の結果カオスが生まれる。このカオスが味方するかどうかも運次第である。自分の戦闘寄与率がとても低い。そういった大局に振り回されながらも流れに乗る感覚はやはり大規模シューターでしか味わえない。
ただ、やっぱり再現性のあるeSportsの方が見所が多い。実際BFやデルタフォースをモンタージュ動画にしたり配信してもかなり地味になる。正直見てる側としては面白さがあまり分からないものになってしまう。プレーする側もエイム力を上げ、セオリーや立ち回りを覚え、パターン化するほうが取り付きやすい。自分には合わないが、やっぱり洗練されているのは競技向けゲームだ。
それでも謎の連帯感と混沌を味わうのは楽しい。デルタフォースにはBFが失ったそれらが確かに存在した。しかしながら自分ももうFPSは腐食気味になってしまったのであまりやらないとは思う。それでも今の自分を通してかつてハマっていたコンテンツの魅力を再考したくなった。