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外国で外国を読む。

私には韓国人の彼氏がいる。
ついこないだ夏季休暇を利用して5泊6日で韓国に行った。
もともとお盆付近は高いだろうからと行かない予定だったが、何気なくフライトを検索してみたところちょうどセールをやっていて、往復一万円だということで急遽行くことにしたのだった。

韓国と言えば今日本ではある意味話題になっている国家だ。
私には少しそれが複雑だ。
多分韓国に彼氏がいなければ気にしなかっただろう。別の国だったなら大変だなあ程度で終わっていて、大して気に留めなかっただろう。

自分事だから参ってしまう。

飛行機をとったときはまったくニュースには上がっていなかった。
出発する直前、雲行きが怪しくなった。
行った直後、飛行機曜日限定運休&一部減便が各航空会社で次々決まった。
帰っていたときには完全に悪化していた。
そこから一週間、二週間と経つに連れ、よくなるどころか溝は深まる一方に思える。

ついに9月10月全日運休となってしまった。

え?私国家レベルで遠距離恋愛妨害受けてる?

今春就職した私は仕事に慣れるためということで4月は会っていないものの、しばらく会えないだろうからと2月3月に会い、飛行機安くなってるね!だとか休みが取れるからだとか理由をつけて5月6月7月8月と毎月一回会っていた。
最近ちょっとお金使い過ぎかな、しばらく貯金のために次会うのは冬休みにしようか、なんて別れ際にふざけて話して、それでもきっとなんだかんだ来月も会うんだろうなと思っていたら全面的に運休になってしまった。

東京-ソウル間だとか主要な便はもちろん多少は残っているだろうが、私も彼氏も生憎首都からは遠く離れたところに暮らしていて。
今までは地方便が意外と豊富で金曜日の仕事終わりに飛んで会いに行けていた。仕事から帰ったらすでに家にいてくれた。例えば北海道と沖縄に住む遠距離カップルよりはずっと簡単に頻繁に会えていたのだ。

早く一緒に住みたくて毎月頑張って貯金をしているけど、一年後には益々情勢が悪くなっていたらどうしよう。
たった一ヶ月でここまで仲が悪くなってしまって、もし国交断絶とかになったらどうしよう。
この時代に自由に結婚できなくなったらどうしよう?

なんだか色んなことが連続的に起きる世の中で、すごい速さで世の中がおかしくなっている。
いつの間にこんなに遠くに来てしまった?って驚く。
うっかりニュースを見ていないとおいて行かれる。知らない間に自分は除け者になっている。
多分今も知らないところでどんどん世界は動いていて、
不安で仕方ないけど食らいついていくしかないんだろう。
常に情報を入れて外にアンテナを張って勉強を続けなくちゃいけないんだろう。
咄嗟に いやだな っておもっちゃった。

韓国に行ったとき、平日は普通に彼氏が仕事にでかけていて、私は一人で喫茶店に行った。いつもと同じように、でも社会人なってからは久しぶり、本を片手に出かけた。

もちろん言葉は通じない。少しだけ勉強して覚えてきた韓国語を使って注文をする。実は一人で韓国語で買い物したのは初めてだった。
ここのティラミスは絶品で、彼氏が教えてくれて以来毎回来るほどお気に入りだ。その度彼氏に連れてきてもらっていたけど今回はひとりだった。
暑い日だったのでティラミスと一緒にアイスコーヒーを注文した。鉄製のカップは大きくて多分500mlは入ってる。
想定外の質問が来たけど、簡単な日常会話は聞き取れるようになってきていてなんとかうまく答えられた。

そのアイスコーヒーとティラミスをじっくり味わいながら彼氏の退勤を待つ。今回私が連れてきた本は沢木耕太郎の深夜特急2だった。深夜特急は沢木耕太郎がデリーからロンドンを目指す旅行記だ。香港、東南アジア、インド、中東、ヨーロッパとかなり寄り道をしながら最終的にロンドンまで行くらしいが、実はまだ読んでいる途中なので私も結末は知らない。
2巻で沢木耕太郎は東南アジアをかなり寄り道しまくる。最初に降り立った香港の面影を求め彷徨い、ガッカリし、満足せずに進む。
読んでいると無性にその場所へ行ってみたくなり私は韓国にいるのに心はタイのワット・ポーに居た。

読み進めていくと沢木耕太郎は旅を始めた若者二人組に出会う。旅の先輩としてあれこれ教えてあげるのだが、旅に向かう心持ちを逆に若者たちから学びショックを受ける。そして改めて考え直す。
沢木耕太郎と若者二人組、それぞれが大人になる前の執行猶予として世界を彷徨っているのだと。ある種の免罪符的旅行なのだと。
私が健康体な体格のいい成人男性であればよかったなあとその時思った。私は割と頻繁にこのことを思うのだが、その時改めて思ったのだった。

私は健康体でもなく体格がいいわけではなくむしろ華奢で成人はしているものの女性だ。だから今ここにいるんだろうな、と漠然と思った。
彼氏が守ってくれて安心できるんだろうな。居心地がいいんだろうな。

その上でとても幸せだろいうことを実感していて現状は満足していて、だからこそ今回の情勢変化にどぎまぎしている。

実はあんまりニュースも見ないし政治も国際情勢も詳しくない、情報社会にうんざりしていて情報の取捨選択も苦手、リテラシーが低く欲しい情報の検索能力も低い、現代の波に飲まれてて溺れてるわたし。世間に息苦しさを感じるわたしが、
下手なことは言えないし滅多なことが起きてほしくないので悪い想定は言えないけれど。
どうかこの先は平静であってほしい。令和な時代を迎えてほしいな。新元号、めでたいんじゃなかったのか。

なんかモヤモヤしたので忘れないようにメモ。

何を言いたいのかわからなくなったので終わり。

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