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綺麗な死を探して

「綺麗に死にたい」

そう思って花火を取り寄せた。
爆発させれば光の中で綺麗に死ねると思って。

…多分違う。けど、綺麗な死に方なんて分からない。
だから、お守り代わりにカバンに入れた。
誤算だったのは底が抜けたこと、そして斜面だったこと。

「ま…待って!あれが爆発して人が怪我とかしたら…私犯罪者!?」
そんなの美しくない!
走ってる今の私も美しくないかも!そんなこと言っていられないけど!
必死に走って、走って、走って。森が急に開けて。花火を見失って。
…足元に地面が無くて。


目が醒めたら森の中。不思議と傷も汚れもなかった。
「…花火!」慌てて探す。よかった、向こうに落ちてる…。
…それを、「チュ?」二足歩行のネズミが。抱えて走り去る。
「ネズミって花火食べるのかしら」いや、そうじゃなくて。

「…私の花火!」
早く追いかけないと!


キャンディの花が散る。木々が笑う。ピンクのもやが立ち込める。

奇妙な世界が次第と濃くなっていく。

【続く】

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