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【私の90年代 vol.2】 岡田真理さん(NPO代表、スポーツライター)

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1990年は、元号にすると平成2年。当時は「平成の時代はこうだ」「平成の世をこう生きる」といった表現がメディアでよく使われていた記憶があります。小学生から中学生へと、次のステージに進む私にとって、その言葉はとても響きました。

「自分はどうやって生きていくのだろう?」と、いろいろと考えを巡らせていた中で、人生を変える2つの出来事がありました。

一つは、90年夏の米国ホームステイ。

ホストファミリーには私と同世代の姉妹がいて、二人ともサッカーをしていたんです。今でこそ米国の女子サッカーは世界でトップレベルですが、当時は国内でもマイナースポーツ。それに、サッカーは男子がやるものだという常識が私の中にあったので、とても驚きました。

また、ホストファミリーのお母さんも、自分の意見をきちんと持った強い女性で、すごくかっこよかったです。

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もう一つは、テレビドラマ「東京ラブストーリー」。

中学生に進級する直前の91年1〜3月に放送が始まりました。鈴木保奈美さん演じる主人公、赤名リカの生きざまを見て、「これこそが新時代の女性だ!」と共感しましたね。

それ以前のドラマのヒロインは、か弱くて、男の人に守ってもらうのが当たり前。恋愛して、結婚するのが女性の幸せだという描かれ方が多かったです。

例えば、東京ラブストーリーの前クールの「すてきな片想い」で、中山美穂さん演じるヒロイン(与田圭子)は、まさに昭和の女性像そのものでした。

けれども、赤名リカは、最後は、恋愛よりも仕事を選びました。自分の人生を生きている感じがして、「平成の時代はこういう女性像なんだ」と確信したのを覚えています。

私自身は、強い女性、自立した女性に対して憧れを持っていたため、赤名リカとの出会いは、まさにこれから進むべき人生の道標となりました。

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私にとって90年代は「黄色」

この時代のテレビドラマにさまざまな影響を受けました。中でも印象的だったのが野島伸司さんの作品。オレンジ色ほどは暖かくない、黄色のイメージがあって、それが90年代の世相とシンクロします。

また、80年代から2000年代への転換期で、社会的にも黄色信号が灯っていた時期でした。

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【取材後記】野球に関する社会貢献活動を支援するNPO団体「ベースボール・レジェンド・ファウンデーション(BLF)」の発起人として、数多くの野球選手たちにも慕われる岡田真理さんは、まさに自立心のあるパワフルな女性です。そんな岡田さんの思考や行動のルーツが、90年初頭のテレビドラマにあったのは興味深いです。

当時はまだ皆が同じ番組を見ているような時代で、今とは比較にならないほどテレビというメディアの影響力は絶大だった気がします。岡田さんだけでなく、行動変容のきっかけを与えられた人は、きっとたくさんいるはずです。(伏見学)

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