リクルートのすごい構"創"力
▼本書まとめ
次々と新規事業を生み出しせいこうさせてきたリクルートの手法をステージとメソッドでまとめられている。
▼企業を悩ます「5つの症状」
①:PDSサイクルのPに時間をかけすぎている
→数とスピードが不可欠。高速PDCA。
②:計画が変えられない
→細かい軌道修正が必要になる。
③時間をかけて計画を立てる割にツメが甘い
→「成功率が高く見える」計画を立てがち。夢みがち。
④当事者も経営陣も本気でない
→本気じゃないのもそうだが、上がってきたアイデアをブラッシュアップする、新規事業を創出できる人材を育てるという発送がない。
⑤うまくいかなかったとき撤退の決断ができない
→撤退ラインの設定をしない。惰性で続く。
▼3つのステージ
・ステージ1:0→1
ゼロイチを生み出しビジネスの種を発見するステージ。「世の中にまだ存在していないモデルを生み出すステージ」
・ステージ2:1→10前半
ステージ1で生み出したビジネスの種の勝ち筋を見つけるステージ
・ステージ3:1→10後半
ステージ2で見つけた勝ち筋から爆発的な拡大再生産をしていくステージ
▼リクルートの新規事業開発を支えるコンセプト
・リボンモデル
・どう成功させるかではなく、何を検証するかに議論をあて、スモールスタートしていく、走りながら考える
・PDSは月、週、日で管理し、すぐに修正していく
・新規事業開発の手法、メソッドが確立されている
・ボトムアップによる新規事業開発をやるとトップマネジメントがコミットメントする
・撤退ラインが決まっている
・アイデアを出しチャレンジする事が称賛される文化
・リボンモデル
個人や企業を「集め」、何らかの働きかけによって両社の行動を変化させて「動かし」中央のマッチングポイントで「結びつける」事でリクルートが収益をあげる。世の中の全ての事業を当てはめる事ができる。
▼9つのメソッド
①不の発見
※「不」とは、リクルートが考えるあるべき社会の姿
・あるべき社会の実現につながる潜在的な「不」を探す
・本当に社会が求めているかの検証
・見過ごしがちだが誰も目を付けていなかった不の発見
・既存の産業構造を変えるほどの大きな可能性を秘めているのかの確認
②テストマーケティング
・不を解決する事が本当に多くの人の心を動かすものなのか検証
・ビジネスとしての市場性が存在するのかの確認
・収益を生み出す事業性があるのかの見極め
・撤退ラインの設定(段階的)
③New RING:社内起業提案制度
・ボトムアップ式の新規事業の提案を称賛する文化
・アイデアを集め選別していく
・アイデアから事業へとステップアップさせる途中も、軌道にのるまでもサポートをする
※今までの事業も社員からのボトムアップで本気で取り組んだ結果産まれたものばかり
④マネタイズ設計の3つのポイント
・「勝ち筋」を見つける:細かいフィジビリ(ティ)を行う
勝ち筋の定義
1サービスに対して誰がお金を払ってくれるのかが明確
2お財布までが見えている事(顧客がどのくらい出せるのか、誰が)
3コスト優位性と継続性
⑤「フィジビリ」で「価値KPI」を探し出す
リクルートのフィジビリ:広範囲のテストマーケティングに近い
価値KPI:KPIの中でも最も事業価値に直結するKPI
・ゴールである最終的な目標値と最も強い因果関係のある指標を探す
・KPIでやるべきことの優先順位がつけられる
・高速PDCA
※価値KPIが見つかるまで徹底的にリボンモデルの分析を行う
※実際の行動にまで結びついた勝ち筋になっている事
⑥ぐるぐる図を回す
・縦ぐるぐる図:現場⇔経営層
現場でしか見えない事を経営層に上げて、経営層からは おろす縦の関係
・横ぐるぐる:現場⇔現場
異なる役割の社員による横方向の情報のやり取りを行い、洞察を重ねる
⑦価値マネをしつこくやりきる
価値マネ:勝ち筋に沿って爆発的な拡大再生産を図る
→リクルート的KPIマネジメント
・価値KPIのPDSをしつこくまわす
・KPI管理で優先順位と行動の明確化・集中
・ヨミ会:KPIのモニタリングとぐるぐる図をまわす
⑧型化を突き詰める
・価値マネを実践するための行動を「型」に落とし込む
・成功事例やノウハウなどを全体共有し組織へ広げる
型:個人が将来型を肥えてより速く成長するための基礎体力づくりになるのが型
⑨小さなS字を生み出し続ける
・成長線のS字を生み出し続ける
・現場の情報からいち早く成長の原則を捉え、次の一手へ進める
・改善を行い続け競合優位性を保つ
※リクルートの経営層の一番のミッション
現場の能力を最大限に伸ばすために何をすべきかを考え、必要なリソースを投入する事
▼0→1、1→10、を超えてさらに成長するために
・衰退の波の兆候をいち早く察知し次のビジネスモデルに進化させる
・変化はスピード
→タイムベース競争
コストと品質の2軸の競争に「時間」を加える
(時間こそが一番の資源)
・まわりを巻き込む
周辺領域:スタディサプリの例
他社のビジネスプロセスに入り込む:サロンボードの例
顧客とともに成長する:カーセンサーの例
▼経営層の役割
●人を活かす
・リボンモデルの刷り込み
ただ現場に権限を委譲して自由にやらせることでは、人を活かせない。共通の理念を徹底的に刷り込み、個人を追い込むことでその潜在力を引き出さなければならない。
・個の尊重(自由奔放とは違う)
「お前はどうしたい?」自分がどう考えていてどうしたいのか。
→当事者意識の芽生え
・若さを保つ
社内で行き渡る称賛の文化
常に内部での競争を奨励し、成功者を称え、全員がそこから学べる仕組みを埋め込んでおくことが、組織の若さを保つために有効である。
・器をそろえる
未来を予測し、必要になるであろうケイパビリティを磨く。大きな成長機会や自社にとっての脅威となりうる存在を取り込む。
※ケイパビリティ:能力、才能、素質
▼感想・総括
・まず思ったのが、自社は新規事業がうまくいかない企業には当てはまらなそうという事。(撤退の部分はちょっとあるかもだけど)
まずやる、走りながら考える、本気でやってる、ところはとても良い環境だなと感じた。
・メソッドなどで考えさせられる事はたくさんあるが、一番はぐるぐる図かなと思った。ボトムアップしたいって声かけしている部分があるけど、縦ぐるぐる図をうまくまわせていないなと感じた。
正確には自分の下の縦ぐるぐると自分のとこのぐるぐるがうまくまわっていないというか、、そもそもそこまで変えようとされていないって思っているだろうなとか、、、
ここは改善してもっと入り込むところは入り込まなければいけないし、現場の能力を最大限に伸ばしたり活かせる組織を目指さなければいけないなと思った。
・型化を具体的なオペレーションまで落とし込む部分は自分にとても弱いところだと感じた。上司から口酸っぱく言われるのはこれかと思った。。
明確化する事は、みんなの行動を明確にする事に繋がり、また追うべき事やるべき事を明確にする事に繋がる。
ここを疎かにすると行動オペレーションがバラバラになったり、向いている方向がバラバラになりかねない。
元社員の人はこーゆう行動がすごい根付いているなと感じる。
イコール社内でそれだけ浸透されていてみんながやっているんだと感じた。
自社でもこのような文化や経験を提供できるようにしたい。
https://www.amazon.co.jp/dp/B071JBCKJM
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