「制作へ」上妻世海
「制作へ」上妻世海 1ヶ月以上かかって読了。 難しい言葉をググりながら読んだらこんなにかかってしまった 消費をやりつくした現代人への制作への誘惑 興味のある世界には飛び込まずにはいられない癖に 変化に怯える自分の背中を押されたような感じがする 今読んで良かった本
ちょうどこの夏YCAM でメディアアートの輪廻転生で 美しい「絵画」や「写真」を見る以外のアートに初めて触れたばかりだったので 飴屋法水の芸術祭と田中功起の話は面白かった 所々に千葉雅也さんがよく使うユーモアとアイロニーの言い回しがあって 上妻さんをググったら繋がりあるそうでニヤけた
消費→参加→制作の流れは 私が販売業でキャリアを積んできた流れとも重ねられる 好きな物を買う消費者から(消費) それを売る販売員へ(参加) 売る場を人を作る立場へ(制作) それぞれの視点から得たものを統合して売り場を作っていき 進化させていく流れも近しい物だと思って読んだ
「私は私ではなく、私でなくはない」の状態のシンクロ感も 売場に立った時に感じたりする 回遊する人の視線を商品に 歩みを導線の流れを什器やレイアウトの配置に それが自身の身体に刺さるように感じながら 私の中の眠いとかお腹空いたとかいう煩悩部分を押し出して 重厚に神聖に売場が入ってくる