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私がメイクをする理由

私にとってメイクは、お守り。
メイクするだけで、前向きになれるし、自分の中のやる気スイッチがONになるからだ。
ある人にとっては、メイクは自己表現や身だしなみのひとつでもあるだろし、時には外的要因から素肌を守るという役割もあるだろう。

メイクとの出会い

私がメイクに興味を持ち始めたのは、中学3年生。確か部活のバスケ部を引退した頃だった。
まずは、マスカラや色付きリップを試しに塗ってみたような。
高校ではメイク禁止の校則があるにもかかわらず、毎日かかさずバレるかバレないかのナチュラルメイクをして登校し、私は生活指導の先生におそらく…目をつけられていた。笑
同じようにメイクが好きな仲のいい友達が1人いて、2人で生活指導の先生につかまってメイク落としでメイクを落とされたりしていたのもくだらないけど、今ではいい思い出だ。

夢のきっかけ

私が生まれ育った町は、緑豊かな自然が多いのどかな町。
今となってはそれも贅沢なことに感じるけど、高校生の私は、この町には何にもない、刺激がなくてつまらない…という不満のようなものを感じ、ここから出たい!という思いがふつふつと脳内を占めていった。

キラキラに着飾った可愛い女子に憧れて、雑誌を読み漁る日々。その頃、ちょうど母がRMKの化粧品を使い始めたのをきっかけに、家から1時間程かかる百貨店のコスメフロアに行く機会が増えた。

香水の香りに包まれた華やかなコスメフロア。
コスメを紹介してタッチアップしてくれる美容部員さん。
その人は、綺麗なだけでなく柔らかい雰囲気で悩みに寄り添ってくれる親しみやすく温かい人柄だったことを今でも覚えている。
母はもちろん、私もその人とブランドのファンになった。
そして私は、"美容部員=ビューティーアドバイザー"という職業を知り、そこにいく度に憧れを抱いていった。
高校生だった将来の私の夢は、保育士から美容部員へと急に方向転換をすることとなる。

地元のちょっとした進学校に通っていたため、担任や校長などには反対されたが両親は私の決断を尊重してくれた。
高校卒業後は、晴れて関西の美容専門学校に進学し、毎日思う存分メイクや美容全般を学び、憧れの美容部員になるという夢を叶えることができた。

好きだったメイク、そして憧れていた職業は、私の仕事となった。

メイクの魔法

心弾む楽しい日も、辛くてどうしようもな日も、体調が優れずやる気が出ない日も、なんでもない平穏な日も、誰しも毎日鏡に映る自分を見るし、メイクをする。

私生活がとことん上手くいかなくて、何で私ばっかりこんな辛い思いをしなきゃいけないんだろう…と自分ではどうしようもない現実に落ち込んでいた時期。
それでも仕事にはいかなきゃいけない、子供にもしんどそうな顔を絶対見せたくない。

そんな時は、肌を整えてツヤをだして。
赤いリップを塗ってみる。

そんなこと?って思われるかもしれないけど、鏡に映る自分が、まだ頑張れるんじゃない?大丈夫!って言ってくれた気がした。

ちゃんとメイクをしていることで、周囲からも、大変そうだけど何か元気そうじゃん!などと言われると、ほんとにそんな気さえしてくる。

若い時は何を塗っても綺麗に仕上がったけど、今は20代の時のようにはいかない。
そんな悲しさも感じながらもやっぱり私はコスメが好きでメイクをする事が楽しい。
30代、子育てと仕事に追われ自分のケアもままならない肌。顔に塗るものはその日の自分の肌と相談しながら選ぶ必要も出てきた。
でも、その工夫すらも楽しみたいと思うし、これから歳を重ねてもそうやって楽しめたら幸せだと思う。

メイクは、魔法。
メイクをした自分の顔は、すっぴんの私よりほんのすこし勇気と自信がもてるから。
誰だってメイクの魔法を使い、いかようにも変身することができる。

メイクをすることや肌が綺麗になることで、内面から前向きになれたり、その時だけでも気持ちが上向くお客様の姿を何百人もみてきたから。あながち間違えじゃないと今でも信じています。

明日もこの先も、おばあちゃんになるまで自分なりにメイクすることを楽しんでいきたい…そんな風に思う。

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