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断片 ネット通販の印象と気分

 ちょっと忙しくなってみれば、というのは昨日ヤボ用で一日中動き回っていて、ネットを見る時間がなかったんですね。私がネットで見るものというのは半分以上がネット通販サイトで、残りがSNSくらいのもの。ネット通販サイトを渡り歩き、指をくわえて欲しいものを画面越しに見つめ、買うか買わざるかに悩んでいるというちょっとアホな日々を送っていた。これがあなたあれですよ、忙しくしてればそんな暇でアホなことはしないみたいじゃないですか。よくないわ暇は。買いすぎる。カネは使うためにあるものだが、使い方を心得なければ一生貧乏じゃね俺、と思い、少し反省している次第。とりあえずHMVとタワーレコードを見るのを控えめにしていこうかと。欲しいものは無限にあるもんだ。Amazonだけは勘弁してもらって見せてもらう。アマゾナーという言葉があればそれが私である。金井の生活はAmazonで成り立っています。

 承前。まずiPadというものがいけない。ならぬ。とんでもない。作業に趣味に遊びにと、便利であることにおいては至上のデバイスなのだが、これネットに繋がっちゃってるじゃないですか。じゃあ私などはネットショップ見ちゃうじゃないですか。去年から部屋のCDが爆発的に増えていってるんだけども、ざっと四百枚以上の追加で、大部分がiPadを使って買ったものですよ。どれ、CDでも見ようか、といってちょっと安くなってたらほいっと買っちゃってた。もうダメな感じがするので本当にほどほどにしておくぞ。いや、買ってから聴いたもののぶんだけ生活には華が出たんですよ。カネを使っただけのことはある。だが音楽を聴くだけでは腹が膨れないんですね。明日食べるパンがないほどに追いつめられてはいけない。節制しましょう。

 承前。私はCDが欲しいが、ではその欲しさというのはなんなのでしょう。つまり沼とは何かなんですが。沼。いくらでもつぎこんでしまうなんらかの対象、といいますか、じゃあそしたら沼にハマるのって病気じゃね。依存症じゃね。いや、そういうのはグラデーションとしてあるので、破産するほどでなくて人生に支障がない程度のハマり方ならいいのだろう。たしなむ程度というやつだ。そういって自分を甘やかすからまた買い出すんじゃないの。節制しましょう。

 ショパンのまとまりを聴いている。アシュケナージで四枚、仲道郁代で二枚、ポリーニとアルゲリッチが一枚ずつと、あまり曲のかぶりがないようにして聴くものリストに並べていた。ショパンは好きか嫌いか、こんだけ聴いてもよくわからない。たぶん好きなのだろう。でもよだれが出るほどじゃなくて、これは私が出会うべきディスクがどこかで待っているということだ。これから反田恭平と小林愛実のショパンコンクールライブが発売されますよ。それらがたぶん私のショパンへの感覚を変えてくれるだろう。節制してねえじゃん、となるが、これらのディスクだけは別。

 執筆の方面でも今後忙しくなってきそうなのだった。創作ノートをコツコツ埋めていって、あちこちのメモもそこへまとめたし、ざっくりめにプロットを作った。プロットの流れが頭の中にあると、磁石に砂鉄がくっつくような感じで細部のアイディアが集まってくる。この人物はここでこういいそうだ、こういう場面はどうだろう、ならば台詞はこうでと。ちなみにこの小説ができあがれば私は酒が飲める。お疲れ様の一杯である。その美酒にありつくためにでもがんばって書けばいいんじゃね。



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金井枢鳴 (カナイスウメイ)
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