【football】ピッチ上を支配するのは誰か問題

自分の記事を元ネタにして恐縮ですが、もう少し掘り下げてみたい部分があったので書いてみました。

掘り下げたいのは、
自分は何がしたくてレビュー記事を書いているのか？という部分です。
先に結論を言ってしまうと、私は予想して語り合いゲームをしたかったんでは？と気づきました。

は？予想して語り合いゲーム？
と思われた方は、しばし長文ですがお付き合い下さいませ。

【ピッチ上を支配しているのは誰なの？問題】

難解な長文でレビュー記事を書く方には、下記のような指摘があると伺います(私は世の中に認知されていないのでまだ来ません、、)。「もっともらしく説明しているけど、それ後付けでしょ？選手がピッチ上で瞬間的に判断してやってること無理に関連付けてんじゃないの？」と。

恐らくこれは宗教論争みたいなもので、
自分が何を信じているか？（ピッチ上で起こっていることをどう見たいか？）なのではないかと思う。

結論から言うと、
私は監督がピッチ上をロジカルにある程度コントロールしている
という部分を比較的強く信じています。

他には例えば、他にはメッシやネイマールのようなモンスター級の選手が凡人には思いもつかない創造的なプレーや身のこなしで、ロジカルな戦略なんて無にする、と選手部分を信じていたり、真の支配者はクラブ経営者側でしょ、という人も。

比較的「監督が支配している派」寄りで試合を見る私は、反町康治さん（松本山雅ＦＣ監督）が「サッカーにおけるインテリジェンス」についてインタビューを受けている時に、こう発言していたのを思い出しました。

―チームコンセプトを理解し、周囲と協力して実行する。その程度のことはインテリジェンスとは言わない？
「言わない言わない。サッカーにはピッチ内外のルールがあり、チームにはいくつかの約束事がある。それはできるのは当たり前。うちは技術的には下手な集団だけど、頭の使える選手しか残っていない」
(引用元)フットボール批評Issue02号

監督が思い描くサッカーをピッチ上でいかにして再現できるかは選手ひとりひとりの戦術理解度に依存します。加えて、反町監督はこうも言っていました。

「多くの人はサッカーを抽象的なスポーツ、あいまいなイメージで捉えているんだよ。プロの監督でさえ抽象的なところで終わらせてしまう人がいる。だが、じつはピッチ上で起きている現象には具体性があり、具体化しなければ差が出ない。」
(引用元)フットボール批評Issue02号

―「よりアグレッシブに」「コレクティブな戦い方」と言われても、なんとなくしか分かりませんもんね。
「好きじゃないね、その言葉。抽象的すぎる。サッカーはもっと具体的なスポーツだよ。ミーティングで『いいか、今日はアグレッシブに行くぞ。かつコレクティブにやれ』と指示し、果たして選手に何がどれほど伝わるか」
(引用元)フットボール批評Issue02号

Ｊリーグのクラブにおいてどれだけの監督が上記のように考えているかは分かりません。

しかし、反町監督が仰るように具体性をもって選手に伝えない限り、統率の取れた試合運びをすることは無理なはずです。
つまりは、監督－選手間でチーム内でのタスクや約束事がある訳で、試合後のレビューにおいてはそれを探り合った上で（考察）、結果はどうだったのか（評価）を語り合うというゲームをしている気がします。

監督の考えたことなんて監督自身しか分かりません。

ただ、サポーターの楽しみの１つとして、
・監督はゲームに臨むのにどう考え、チームに落とし込んだのか？（考察）
・その思惑はピッチ上で実現されたのか？（評価）
そんなようなことをプロのライターさんの記事から学びつつ、サポーター同士が語り合っているんではないでしょうか。

だから私は、皆さんのレビュー記事を見て、
「この人は試合をこう観たか」「なるほど、そういう見方もできるか」
といった風に色々なサポーターさんの考察と評価を観ている気でいます。

監督が答え合わせしてくれない限り正解なんて誰にも分からないし、
色々な人が記事をアップして多角的な試合の見方ができるようになることで、市井のサッカーファンの観戦力と呼ぶようなものが底上げされていくことの方が、より大事のような気がします。

なので、冒頭の話に戻りますが、
レビュー記事に対して「後付けだろ」とか「感情がない」と仰るのではなく、「あー、そういう見方したのね」的な印象を持って頂けると幸いです。

また長文になってしまいました、、、
色々な見方があっていい。だってみんなサッカーが好きなんだもの的なね。