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6/13 映像だから伝わること

私は広告が好きだ。
だから、広告会社で働いていると言える。

基本的に広告は嫌いだけれど、皆さんにも1つか2つくらい、好きな広告があるんじゃないでしょうか?広告の受け手の反応としてよく言われるのが、「広告っぽくない広告であれば良い」ということかと思います。

広告っぽくない広告、、最近でいえば三井住友カードの「Have a good Cashless」というキャンペーンはそれに近いのではないでしょうか?

ご覧になった方も多いと思います。そして、勘の鋭い方はお気づきかもしれませんが(同業しかいないか、、)「お、もしやこれは?」と思った方。そうです、作ったのはTUGBOATです。

こういう魅せるシリーズ、ほんと上手いなぁと思います。

金融サービスはお菓子や洗剤のように気軽に買える商品ではないことに加え、とかくその本質が伝わりにくい。

今回取り上げたキャンペーンだって、CMを観て「いいね」と思った視聴者が検索してウェブサイトを訪れてくれたら広告会社としては「取り敢えず良かった」と言ってホッとするかもだけど、”取り敢えず”な訳です。何故なら、真の目的は「キャッシュレス」について思いを馳せてもらうことだから。

視聴者にCM視聴して面白かったと思わせるだけでなく、その一歩先にまで行かせるには、やはりCMプランナーや制作に関わる全ての人たちのクリエイティブの力とも呼べることがあるのではないか?

このCMでいえば、これらの言葉。

「奇妙なモノを持ち歩いてるもんだ」
「お金ってなんだろう」
「僕は考え始めた」

こういった台詞が妙に頭に残るなぁ、そういえば小栗旬がCMでこんなこと言ってたなぁ、あれ、そういえば大学の授業でも教授が言ってたっけな。的に誰かが考え始めてくれるのではと期待する。

言葉を伝えるなら新聞広告や雑誌広告でもいい。
ラジオ広告なんて耳を澄まして集中して聴いてる訳だから、それも良い。
けど、なぜTVCM(つまり動画)なのか?

今回でいえば、タレントのキャスティングも、バックミュージックも、衣装も、全体的な世界観も総合的に踏まえて伝えてこそ伝わるモノがあるはず、そう信じて作っている(はず)。

日本は特に、現金を信じ、現金を守っている国だ。海外では高度にキャッシュレス化が進んだ国もある。現金を信じなかった国だ。なぜ現金の周囲では色々なことが起きるのか。そもそも現金が、あいまいで不確実だからじゃないだろうか。合理性の追求だけでは、日本のキャッシュレスは進まないだろう。キャッシュレスはきっと、単なる機能ではなく、新しい暮らし方だ。だからこそ、想像しきれない。まずは今抱える奇妙さに気づくところから、キャンペーンを始めた。(TUGBOAT クリエイティブディレクター/プランナー 麻生哲朗)

お金という曖昧なものを伝えるのは困難だ。

あの30秒のCMを作った人が、ここまで深く考えて作っていたと知ると、普段何気なく見ている、いや最近はスキップしているCMも見方が少し変わりませんでしょうか?


だから、広告なんて要らないなんて言わないでー

切実な想いよ届け。

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Tsukushi/広告代理店
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