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白いきつねのファンタジー

一匹の白いきつねが猛スピードで走っている

その後ろには黒い大きな雲のような、モクモクした赤い目をつけた群れがいる

白いきつねは振り返ることなくまっすぐ走り続けて、光の穴に一番に飛び込んだ

白いきつねが入った瞬間

光の穴は閉じられ、草原も黒い群れも見えなくなった

空中に浮かんだ白いきつねは喜びいっぱいで

心地よくフワフワ落ちていきながら、
眠りに落ちていった




目が覚めた


とても眺めのいいところにいた

高くて硬い

少女が白いきつねのいるところの下から
ひょいと顔を出した

小さな赤い実を3粒おいた

白いきつねが起きてることに気づいた少女は言った


「ここは安全だよ。上からも下からも見えないし、手も届かないから大丈夫だよ、子ぎつねさん」

少女がくれた安全な場所は
20㎝×15㎝くらいの小さな岩の凹みだった

小さな子ぎつねは、大人の大きな白いきつねだったことをもう覚えていない


少女は子ぎつねのいる所からほんの少し下がったところの
大きな岩の凹みで小さな赤い実を食べていた


子ぎつねの視線に気づいた少女は言った



「食べたら一緒に出かけよう。子ぎつねさんのおうちへ連れて行ってあげるよ」


そう言って少女は子ぎつねを手招きして、岩の奥へ入っていった

子ぎつねは急いで小さな赤い実を頬張って
弾ける実から出た果汁の美味しさに驚きながら
少女の後を追った






子ぎつねは
朱い鳥居⛩の前にちょこんと座った



少女は言った

「ここだよ いってらっしゃい」

子ぎつねはちょこんと座ったまま
鳥居の前で少女とお別れをした



そのあと子ぎつねがどうなったのか
少女は何者なのかは
なにもわからない


ただわかることは




あれからたくさんの月日が流れたことだった









不思議なチャネリングをする女性がいる
そのイメージにはいつも朱い鳥居とその入り口に白いきつねのセットが浮かぶ


その女性がとあるお寺さんで恋愛成就を願って
お稲荷さんを拝んでいた

その時のご縁で
女性についてきてくれた白狐がいた

いつの間にか一緒に過ごすようになった


女性の側には
白いわんこと
白龍がいた
白狐も加わった


女性の魂はぐんぐん成長を遂げていく



それから数ヶ月後
女性は津和野の太皷谷稲荷神社にどうしても行きたくなった。
狐さんに会いにいきたい、、そう感じていた。

明日行けたら行こう。。そう思っていたら

見えてきた。

女性が学生の時に使っていた緑色のリュックサックを背負った白いわんこと、
黄色いリュックサックを白いわんこに勧められて、素直に背負ってる白狐の姿を


なにしてるの?というと

「明日の準備!お出かけだからね!」

と嬉しそうな白いわんこ。

今、腰が痛いから明日はわからないよ?
といっても嬉しそう。



次の日。元気いっぱいみんなで早朝出発した



出発してから2時間半。無事に着いた。


本殿にご挨拶をしてから
千本鳥居をくぐって降りていたら、
下から駆け上がってくる子ぎつねを感じた。


迎えにきてくれたのだ。


とても嬉しそうについてくる。

白狐とも仲がいい


白いわんこ、白龍、白狐、子ぎつね、女性


みんな眷属だ

神様にお仕えするお役目を持っている


次にみんなで向かった先は

太皷谷命婦社

狐さんのホームだ

なんとも可愛い空間に女性のテンションは上がる!

社の後に隠れるように二匹の狐の石像が並んで置いてあった


この一匹に白狐がすっと入っていった。


とっても幸せそうで、やっと戻れたという幸福感が流れてきた


隣に並んでる狐の石像に懐かしい記憶が
白狐にあったに違いない


この二匹の石像の後ろに小さな狐の石像があってこれに子ぎつねが入っていく

憧れのような誇らしさを子ぎつねは持っていた



そのまま白狐はホームに残った

思い出せば繋がる白狐の幸福感



家に帰った女性は
白狐から感じる幸福感に
涙が溢れて止まらなかった

その不思議な気持ちに
シンクロして

女性の愛する人との
幸せに溢れるイメージが
その夜、女性に届けられた


白狐からの贈り物だと思った



現実世界で
普通の恋愛ではないことを受け入れられず

心が苦しくなっていた女性に

愛する人との恋愛成就を素直に望む

許しの光が差し込んだ