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人生は山登りだ

先週 山に登った。

毎週実家に行くルーティンが無くなって 家でじっとしていられなかったからだ。

母が毎週末 ショートステイやデイサービスに通いだし 母は年中無休になった。

それまで土日は 家にいた母だったが 家に居るのが 落ち着かず徘徊も次第に酷くなった。

変わらない日常が一番大事だと分かった。

私も週末 母に顔出しすることが無く
手持ち無沙汰というか

気持ちがソワソワして落ち着かない。

なんとなく家でじっとしていることが勿体なく感じたこと。

同時に どこかに出掛けたい気持ちが湧いた。

さて  週末をどんな風に過ごそうかと考えて

一年ぶりに山に登りたいと思った。

山に何か思い入れがあるのか?と聞かれたら特に無い。

何故かインスピレーションで山に登りたいと思っただけである。

前にも 急に お墓参りに行ったことがあり

何かに呼ばれているように感じ 気のみ気のまま出掛けた。

今回の山登りも急に決めたので 特に考えず

スニーカーと簡単なジャージ姿で山に向かった。

山登りは毎年 初心者が登るコースを選んでいたが

今回は違ったルートで山頂を目指すことにした。

家から電車で高尾山口駅まで向かう。

電車に乗っている時間は ほんの10分くらい。

こんなに山に近いところに住んでいることがラッキーだと思う。

行く前から帰りには 高尾山口駅から目の前の銭湯に入って そばを食べて帰ろうと予定も決まっていた。


高尾山口駅に着きルートを確認し

今日は少々難易度の高い6号路から山頂を目指す。

この後 デンジャーゾーンに突入することを想像もしないことが起こることも知らず

どんなに遅くても2時間くらいで山頂に着くと甘い考えでいた自分を呪うことになろうとも知らず…。

山の危険や 自分の体力の限界を まざまざと見せつけられることになった。


20年前にも6号路を友達と登ったことがあったが 怖いと思う気持ちは全く無かった。

若さのお陰か 一人でなく友達と登った安心感か。

今は体力も気力も衰えを感じ 一人で登る山の怖さを知った。

登山上級者や若者数人のグループがほとんどで 一人で登る方が少ないルート。


崖のようになっている道や途中 沢になって 

スニーカーが ぐしょぐしょに濡れてしまう場所もあり かなりのデンジャーゾーン。

どうしてこの道を登ってしまったのだろうとふと考えてしまう。


度々 危機を感じながら登る山は もう戻ると
いう選択肢もなく

ただただ頂上を目指すという目標しか見えない。

足が進まず 水分補給ばかりの小休憩を費やしている。


ふと自分の人生 そのものだと実感する。

歩いて 疲れたら休んで 体力が回復したら
また歩き出す。

後から来た人に追い越され(水戸黄門のテーマ曲が頭から離れない)

泣いてる余裕も 人を気にする余裕も無いから進むだけ。

本当に山登りは奥が深い。

自分との闘い 。修行僧のような感覚。

途中から息が上がり 体調を整えながら
ゆっくりゆっくり歩みを進める。

10分歩いたら 水分補給し息を整える。(繰り返しあまり進んでいないけど無理しない)


木の根っこが剥き出しになっている危険な道や  補正もされず ぬかるんだ道で転ばないように慎重に。

狭い道で譲り合い。

自分のために 気に入った景色や植物を写真に残し

深呼吸しながら気分転換して進む。


空気が美味しいこと。(心に余裕持ってリフレッシュ)


自分の行動パターンや生き方を山登りが教えてくれる。

この道は自分には しんどくて 次は安全で安心な いつもの初心者コースで充分ではないか。

頑張らない 無理しないことを学んだ。


山登りはやっぱり奥が深い。


その時の 自分の体調や気分 まさか4時間も
かけてマイペース過ぎだけど山頂到着。

山頂から富士山見えなかったけれど
それも良し!

次はもうこの道を選ばないと決めた。


私は少々 頑張りすぎてしまうところがある。


山は何も言わないけれど 自分との向き合うことを教えてくれた。

一人で登る山の怖さも 山は気づかせてくれる。

時に通り過ぎる人が こんにちは。と声をかけてくれる。

声掛けが何故か励みになること。

若い頃は些細なことがなんとも思わなかったけれど

年齢を積み重ねることで 誰かの声掛けが有難いことを知った。

みんなもキツイだろうに。

人の温かさを知った。嬉しかった。

これからも歳を積み重ねる事に感じるのかもしれない。

人は一人で生きれないこと。

声掛けが愛情だと言うことを。

深く深く胸に刻んだ一日だった。

感謝しかない この世で生きること。

人生は山登りそのもの。

山が全て教えてくれた。

人生に行き詰まりを感じていたから 山に登ろうと思ったのかもしれない。

自分の気持ちを知るために 向き合うことが必要だから

一人で考えたくて 日常の喧騒から離れて

静かな山に登ったのかもしれない。

山登りの魅力が少し分かった気がする。


なぜ人は山に登るのか?
なぜそのルートを登るのか?
ゴールの登頂で何を思うのか?

こんなことを考えていたこともあったけど 

山登りを通して今の自分と対話する時間だと思った。

人生を見直し振り返り 今後の人生 目標 達成感。(人によって様々だけど大事な時間)

自分のペースで生きればいいんだと気づかされた。

 人生に行き詰まりを感じているなら 山登りをすると何か見えくるのだと思った。

いつも自分の中に答えがあると 山が教えてくれた。


最後まで読んでくれてありがとうございました。♥♥♥


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