UPDRS Part Ⅲ 3.12
パーキンソン病の方々は、特徴的な姿勢をしています。姿勢を評価することは、重要になります。
転倒転落予防のためにも、もちろん必要です。
が、患者さんによっては、『プロポーション・見た目』を気にされている方も多くいますので、頭にいれておきたいです。
それではみていきます。
UPDRS Part Ⅲ 3.12 姿勢の安定性
【引用開始】3.12 姿勢の安定性
評価者への指示:このテストは、開眼し両足を平行に楽に開いた状態で起立した患者を、急速に、力強く肩を引くことによって生じる突然の身体の移動に対する反応を検査するものです。後方突進をテストして下さい。患者の背後に立ち、これから何をするかを説明します。転倒を避けるために足を1, 2歩後ろに出してもよいことを患者に説明します。後方突進のステップの数を観察するため、評価者のうしろ、少なくとも1, 2m は離れたところに硬い壁がある場所で試験してください。最初の引き(pull)は患者に教えるための実演で、弱く引き、評価はしません。2回目は患者の重心を移動させ、後方に足を出さないといけないぐらい速く、十分な力で評価者の方に向かって引きます。評価者は、患者を支える準備をしている必要がありますが、患者が後ろにステップし自分で姿勢を立て直すことができるように十分なスペースをもって立っていなければなりません。患者には、後方への引きに先立って、極端に身体を前屈させないように指示します。後方へのステップの数、または転倒を観察して下さい。姿勢回復のための後方へのステップが 2歩までは正常と考え、3歩からを異常とします。もし、患者がテストを理解できないときは、評価者はテストを繰り返し、患者の検査に対する誤解や準備不足のためではなく、患者の限界を示していると判断された時の所見に基づいて評価します。項目 3.13 のため起立時の姿勢も観察して下さい。
0: 正常: 問題なし。1, 2歩で姿勢を戻せる。
1: ごく軽度: 3~5歩後ろにステップするが、患者は助けなしに姿勢を戻せる。
2: 軽度: 5歩を越えて後ろにステップするが、患者は助けなしに姿勢を戻せる。
3: 中等度: 安全に立っていられるが、姿勢反射が欠如している。もし評価者が支えなければ倒れる。
4: 重度: 非常に不安定で、自然あるいは肩を軽く引いただけでバランスを崩す。
【引用終了】
【出典元】Official MDS Translation Copyright | Last Updated January 29, 2019© 2014 - 2019 International Parkinson and Movement Disorder Society
この項目は、まず、、、、、長い!とにかく長い!
ですが、それだけ配慮する点が多いということも事実です。
ここでは後方突進テストを診ています。パーキンソン病の進行に伴い、後方へ急速に引っ張られると、姿勢を保つことが大変となります。
後方へ急速に引っ張るということは、重心が支持基底面から外れるところまで速いスピードで動かしたあとの反応をみるということにもなります。
その際に、適切な保護伸展反応となるかです。
この検査をする上では、ただ歩数を数えるだけでなく、以下のことなどを考えてみると良いかと思います。
1 重心が支持基底面から外れる。
2 頭位などの変化量を、深部感覚で理解できる。
3 体を固めて、その姿勢を維持しようとする。
(頸部・体幹・股関節を軽度屈曲できるのか、足関節を背屈できるのか、強剛によって動かすことができないのか)
4 姿勢を維持できないことを理解して、足を後方へ出そうとする。
(パーキンソン病患者さんの場合は、この2.3の反応が遅くそのままでいる。無動なのか)
5 身体の傾きと、その加速度に対応できる位置に足を置ける。
(股関節伸展の可動域は十分か?強剛によって制限されていないか?)
6 十分な位置におけなかったら、さらに反対の足を出せるのか
(このテストでは、ここを計測していて何歩出せば安定を得られるか)
簡単に書くとこんな感じです。
で、これらの反応が、徐々に悪くなると、UPDRS 3.12 姿勢の安定性の得点が悪くなり、パーキンソン病の進行の程度や、薬効を判断できると思います。
もちろん!理学療法プログラムを考えるうえでも役に立つなって思いました。
おっと、プロポーションと見た目についてを書いていませんでした!!!
次の3.13 姿勢のところで!
それでは!
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