「宇宙ゴミ」は平和な星空の夢を見るか?(宇宙空間の軍事哲学)
こんにちは。1976newroseです。
今回は、宇宙空間における軍備拡張・戦争行動についての、思考実験的な回です。
なお、筆者は宇宙について専門的知識をまったく有しません。また適切な文献も参照していない、思い付き回です。
専門知識がある方からのご批評を大歓迎いたします。
それでは参ります。
本稿では、以下のテーマについて、軍事哲学の観点から論理化の思考実験を試みます。
①宇宙空間での戦争は、宇宙ゴミ(スペースデブリ)を発生させる。宇宙ゴミは、宇宙空間における人工物を損傷させるため、人類にとって宇宙空間の利用性を大きく損なわせる。したがって、宇宙空間での戦争行動は避けるべきである。
②また実際に戦争行動が起きてしまった場合も、人類は宇宙空間を利用する必要性から宇宙空間では協調的な行動を取らざるを得ない。
これに対する、(現時点での)私の意見はこうです。
①帰属が未だ明らかでない策源(利益の源泉)を占有したいという欲求、またそれを実現可能にする暴力の準備・行使競争は、アクター相互間に必然的に生ずるメカニズムである。誰かの意思で止められるものではない。
②宇宙ゴミの発生を抑止し、また宇宙ゴミを協調的に処理しようという試みは、平和裏には成功しない。理由は以下の通り。
A:宇宙という策源を占有したいという欲求そのものは、それが実現「不可能になる」まではなくならない。
「不可能になる」とは、(a)自分以外のアクターが宇宙を実効的に占有するか、(b)占有者が定まらないまま、宇宙ゴミが増えすぎて宇宙の利用そのものが不可能になった場合か、(c)いずれ不可能になることが見こされるため、アクター同士が和解し、何らかの協定を結ぶ場合のいずれかである。
このどちらも、軍拡競争もしくは戦争行動によってのみもたらされる結果である。そのため、軍拡や戦争行動より前に平和協定が結ばれることはない。
B:上記Aの理論通り、もし戦争行動がすでに起こってしまい、宇宙ゴミがバラまかれた場合も、宇宙ゴミの除去作業は平和裏には進まない。
なぜなら、宇宙ゴミを除去する作業が完了した後の宇宙空間は、再び「未だ帰属が明らかではない策源」に戻る。各アクターは当然、除去作業の後で利用可能になった宇宙空間において、なるべく優位性を確保すべく活動する。
そのため、宇宙ゴミの除去作業中も、占有のための軍拡・戦争行動は避けることができず、また作業完了後は、論点は再び上記①で述べた点に逆戻りするためである。
いかがでしたでしょうか?
今回の論は、あくまでも思い付きを並べてみただけでアラが目立ちますので、皆さんからのご意見・ご批判を大歓迎します!
以上、お読みいただきありがとうございました。
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