NYY 24年ここまでの通信簿
こんにちは。
今年は時間があって、わたしの愛するニューヨークヤンキースの試合をたくさん見れたので、ここまで(2024.05.10時点)での各選手の通信簿を生意気にもつけてやろうと思い、書かせていただきました。
MLB到達しているプレイヤー全員を評価すると結構長くなって疲れてしまうので、わたしがスタメンだなあとふわっとした評価を与えた選手のみの評価となります。また、各選手まあまあ辛口でディスっているので、勝ってるんだから文句言うなよとか、好きな選手にケチつけられたらキレちゃうタイプの方は見ることをお勧めしません。
が、わたしはいろんな方の評価を聞いてみたいので、「それは違うだろ」「ここはこうだろ」的なご意見であれば全面的に受け入れます。
では前置きが長くなりましたが、以下通信簿です。
黒塗りの星が評価で、黒3つあればとりあえず及第点って感じで見ていただければと思います。またわたしは立ち上がりが悪くスロースターターなので、後半になればなるほど文章量が増えます。
先発
ネストル・コルテス ★★★★⭐︎
開幕のアストロズ戦を見た時はどうなることかと思ったが、四球を減らしてここまではイニングを食うには食える、暗黒球団のエースみたいなピッチングを展開。
フォーシームのRVが回復せず決め球に欠けるため、打ち損じお祈り投法でフライボールピッチャーなのが安定感に欠ける要因か。とはいえ昨年からのステップとしては◎。
話は全く変わりますが、いつぞやのボーク技投投法から実況にnasty連呼されてるのが結構ツボ。
カルロス・ロドン ★★⭐︎⭐︎⭐︎
なんか一部界隈での評価は高いけど個人的には全く評価していません。
スピードだけはやたら出てますが、ChaseもWhiffもキャリアイヤーと比較すると全くよくない。おそらくカットボールを投げ始めた影響か肘が下がり気味で、スピードほどの圧が出ていないのではと思ってます。
横変化を出すために肘が下がるのはNPBで言えば黒田や大野なんかも代表例として通った道。もっとシンプルにパワーピッチを目指して良いのでは。
マーカス・ストローマン ★★★⭐︎⭐︎
成績自体は良くも悪くもイメージ通り。来年より四球も三振も増えた影響かイニングが思ったより食えてませんね。
しかしながら相変わらずGB %は優秀だし、このまま四球が減ればキャリアハイも目指せるのでは。
クラーク・シュミット ★★★⭐︎⭐︎
昨年よりもスイーパー、カーブ系を減らしてカッターシンカーゴリ押し投法に。その結果、「ゾーン内を振らせる」ピッチングが完成し、ぱっと見のスタッツは割と改善された模様。とは言えこの内容でGB %がこれだけ低いのでは、ぶっちゃけ現状運が良いだけでは?と思ってしまう。
ゾーン内で勝負できているのは良いが、最低でも昨年くらいボール球を振らせることができるようになれば一定の評価を与えても良いと思います。
ルイス・ヒル ★★★★⭐︎
ここまでは開幕前の期待値からすれば満点をあげても良いくらい。とにかく奪三振能力が異常で、ここだけは代役を務めるコールに並び立つのではとすら思ってしまう。
ストレートゴリ押しが基本線だが、そのストレートに関してはストライク、ボール問わず振らせて勝負ができている。反面変化球はどこに行くかもわからんし振らせることもできてないというわかりやすいストガイピッチング。
extensionの効いた96-97mphのストレートが非常に気持ちよく、正直今のNYYローテの中では一番内容が好き。
中継ぎ
イアン・ハミルトン ★★⭐︎⭐︎⭐︎
開幕直後は魔球・スラムビオは今年も健在や!と思ったけどそれだけだった。ロアイシガが開幕早々に離脱したのもあって、火消し、回跨ぎ、セットアップと便利屋として登板が嵩みまくっており、疲労の影響かメカニクス変更(劣化?本人意図してるのかは不明)最近は昨年ほどの制圧力は感じない。実際奪三振もかなり減ってるし。
とはいえ相変わらずどんな場面でも冷静で、シンカーもスライダーもゾーンを問わずある程度勝負できているのは好印象で、現在のブルペンメンツであれば変わらず7-8回あたりを任せるのに不満はありません。
クレイ・ホームズ ★★★★★
ハイスピード・シンガーボーラー。クローザーとしては序盤やや安定感に欠けるピッチングながらもセーブを稼ぎ続け、最近スライダーの割合を増やし始めてからはまさに無双、最強クローザーと呼んで誇張ないピッチングを続けている。露骨に四球が減り、ここまで自責0。
今の所は全く不安も不満もなく、WARベースでもチーム内最上位の値を稼ぎ続けており、例年のように無双と絶不調を繰り返さず、このままのペースとは言わずとも、クローザーとして文句のない成績で投げ続けてほしい。今年FAなので気合い入ってるのか?
ケイレブ・ファーガンソン ★⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎
正直1ヶ月ちょい見続けて1回も良いなと思ったことがなかった。昨年LAD時代は良いスライダー投げてるなあと思ったけど、今の所敗戦請負人として一番負けを量産している中継ぎ左腕。
ヤンキーズブルペンでは貴重な左腕として、ペラルタの穴埋め要員になるかと思われた矢先からこれだけの負けを稼いでいるのでなんとか持ち直してほしいところ。新規参入選手なのもあって何が悪くなったのかは正直あんまりわかっていません。
ただ、現状ホームズの次に登板数が多い投手でもあるので、とりあえず離脱せず試合数投げてくれる左腕枠として一定の評価はしています。
ロン・マリナッチョ ★★★⭐︎⭐︎
ザ・普通の中継ぎ。怪我の影響もあり試合数はまだ少なめですが、ここまでは絶好調です。
所詮スモールサンプルですが、奪三振が減った代わりに四球も減って安定感はやや増した印象。whiffはともかく、Chaseが落ち込んでいるのは気になりますが…ここまでの好投は良化したスイーパーが支えているのかなと、ゲーム見てても指標見てても思うところなので、四球が減ってるってことでアーリーカウントでのカウント球にだけ気をつけて頑張ってもらいたいですね。
デニス・サンタナ ★★★★⭐︎
正直全く期待してませんでしたが、ここまでまずまずの内容をキープしてくれています。
好調の要因はファストボール系かなと見ていて、特にシンカーの制球が非常に良いなと思いますね。チェンジアップも抜けが少なくきちんと低めに行っているので、その甲斐あって被バレル率がかなり優秀です。テキサス時代なんかはむしろシンカーは悪いボールだったので、ヤンキースお得意のシンカー・スイーパーアプローチが成功したんでしょう。
奪三振率が良くないリリーバーを過信するのは禁物ですが、このままリリーフ3-4番手くらいの内容でも続けてくれると助かるなあと思ってます。
ビクトル・ゴンザレス ★★★★⭐︎
今季も変わらず好調なヤンキースブルペンを支えるLAD左腕その2。
とにもかくにもチェンジアップが優秀で、スライダーとともによく低めに集めることができているのでGB %が非常に良い数字を叩き出しています。
昨年のLAD時代に比べると全ての指標がかなり悪化しており、特に奪三振率少なく与四球が多いのでこちらも焦げ臭いなとは常々感じてますが、結果を出してるだけファーガンソンよりは数億倍マシでしょう。シンカーが激甘コースに入るのが奪三振率が低い要因かなと思うので、ここが改善すればまだ上がり目はかなりありそうな気がしています。
ルーク・ウィーバー ★★★★★
こちらも今季絶好調でブルペンを支えてくれている右腕。正直ここまで良いとは期待していませんでした。
バットに当てられると弱いですが、カットボールとチェンジアップの制球が良く、ピッチセレクトは量産型ながら低めを振らせるピッチングができていますね。高めのカッターが効いているのだろうと思ってみています。
バットに当てられると弱いとはいいつつも、ハイスピンのフォーシームを高めに投げるスタイルではないので1発病とかってほどでもないですし、個人的には今一番信用している中継ぎです。クローザーのホームズは別ですが。
C
オースティン・ウェルズ ★★★★⭐︎
昨年のコールアップより爪痕を残し、正捕手として期待されるネクストブレイク候補。
スタットキャストの指標は真っ赤で、試合を見ていても強くスイングを仕掛けながらほとんどボール球に手を出さず、非常に優れたアプローチができています。
現状良い(強い)当たりがほとんど野手の正面やファールになっておりいわゆる打撃指標(Ave、OPS等)は全く結果が出ていませんが、アプローチの結果が如実に出ている点として出塁率が非常に優秀。打撃型捕手としては器用に我慢できると言うか、打席数を投資できる内容は見せてくれているなと思いますね。三振<四球なのが非常に性癖ポイント。
課題とされる守備に関してもかなり向上しており、スローイングとブロックはまずまず〜まずまず以下だが、フレーミング指標がかなり優秀。守備面もとりあえず捕手起用を受けて文句がない程度には破綻してないかなーと。ゆくゆくはコンバートの可能性もまだ残っているとは思いますが。
ホセ・トリビーノ ★★★★★
ヤンキースの誇る守備型捕手。のはずでしたが、今季は打撃型のはずだったウェルズを凌ぐ打撃成績を現状維持できています。
各種スタッツやアプローチの良さはウェルズが勝りますが、捕手としては全く文句なしの打撃貢献を見せており、相変わらずフレーミングやブロック面も優秀。唯一スローイングは悪いのですが、そもそもヤンキースは投手陣のクイックも遅いので盗塁阻止に関しては最初からあまり期待していません。ここまでの打撃スタッツは流石にできすぎだと思いますが、守備型プレイヤーの打撃成績としては最高でしょう。
とにかく空振りないし三振をしない打者へと変貌を遂げたので、とりあえず正捕手は当面彼で良いでしょう。負担の大きいポジションなので、アプローチ面・体調面を管理してウェルズと併用してくれれば文句なし。
IF
アンソニー・リゾ ★★⭐︎⭐︎⭐︎
個人的に今季ヘイトを溜めている選手ランキングNo.2。打撃はまだしも、守備面が酷い。明らかに集中力を欠いているような場面が散見され、打球反応は悪くありませんが、ハンドリングがもうめちゃくちゃになっていますね。
打撃に関してはSTの絶好調っぷりも影を潜め、基本的には低空飛行。たまに何かを思い出し狂ったように固め打ちするので、見た目はとても頼りになる主軸のようにも感じますが、やはり偏ったプルヒッターは好調が長続きしませんね。左打者のプルヒッティングに有利とされるヤンキーススタジアムなので、スタットキャストやファングラフスを見ても分かる通りのGB %をもう少し改善し打球角度が高いところで安定すればもっとよくなるかなーと思いますが…球場の有利不利に関しては割と懐疑的な方なのでどうなんでしょう。
グレイバー・トーレス ★⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎
今季個人的にヘイトを溜めている選手ランキングNo.1。好きな選手だけにあまりディスりたくはありませんが、今季は明らかにリプレイスメントレベルを大きく下回った選手です。助けてラメイヒュー(ラメイユ((ルメイユ)))。
守備に関しては稚拙ながらも範囲はまずまず優秀なのでまだ良いんですが、打撃が本当にどうしょうもない。打者有利のカウントではしっかり弾き返せてますが、そもそもアーリーカウントから仕掛けに行きすぎて、空振りやポップフライを量産して早々に凡退を繰り返しています。例年に比べてプルヒッティングの割合が減っており、それに伴いhard %が減っているあたりが不調の要因なのかなと。
ジャッジの不調やコール待望論ばかり言われてますが、ぶっちゃけトーレスの復調が現状一番必要なピースなんでは。FAイヤーだけに最後こんなんで終わりたくないよ。なあトーレス。
オズワルド・カブレラ ★★★★⭐︎
今の所今季のサプライズ枠筆頭候補。ソトの打撃練習を参考にフライを狙うアプローチからライナーを狙ったアプローチに変更したのが功を奏し、ここまで非常に良い内容をキープできています。
内野守備がかなり劣化しているのが気がかりですが、とにかく打撃で三振をしないので、「三振かホームランか」になりがちな近年のヤンキース打線の中では潤滑油として非常に重要な存在です。他選手とのアプローチの差が如実に出ている印象で、先日もボコボコにされてたバーンズから先制かつ決勝点ともなる2ランを放つなど、印象的な活躍も割と多いイメージ。
打撃面はとりあえず満足してますが、先述の通り守備の劣化が酷いのであんまりサードのスタメンプレイヤーとしては考えたくありませんね。ルメイユの復帰時期と状態次第ですが、強い打球の少ないセカンドで試してトーレスを1度スタメン落ちさせても良いのでは。
アンソニー・ボルピー ★★★★⭐︎
MLB2年目のSSとしては及第点以上ですが、開幕直後の好調っぷりを見ると明らかにバテてきているので、もっとやれるんでは?と思ってしまうのが評価を1つ落とした理由。
好調期は去年ブンブンだった外や低めの変化球に全く手を出さなくなっており、非常に優れたアプローチを形成できていたので、四球が増えて三振が減り、ヒットも増えていましたが、ここ最近はそこに手が出るようになって去年同様の状態に戻ってしまったかなと。しっかり比較したわけではありませんが、やや重心が開幕直後より高くなっているように見え、下半身に疲れが来ているのかなと思っています。
とはいえ守備指標は昨年同様優秀であり、こちらは若いながらエリートプレイヤーの数字。ただこちらにも懸念がないこともなく、持ち前の反射神経やスピード、球際の強さなんかで非常に貢献してくれてはいますが、名手にありがちな「グラブに球が吸い付く」ような捕球ではなく衝突系の捕球をしており、元々体格にはあまり恵まれてないためか肩も平均未満なので、常に結構強くスローイングすることを心がけてるように見えますし、そこらへんも疲れが溜まる要因なんだろうなと推察しています。
代役が大したことない選手しかいないので難しいところではありますが、なんとか1度休養を設けられないかなあとやきもきしますね。ボルピー愛がありすぎて他選手より明らかに長文になってしまいました。
アレックス・バードゥーゴ ★★★★⭐︎
ソトのdeal発表前後は「外野が増えてドミンゲスも控えていて強みになるところを獲得してどうすんねん!」とキレ散らかしていた覚えがありますが、ここまで非常に良い内容でごめんなさい。
カブレラ同様、三振かホームランになりがちなヤンキース打線にて重要なピュアコンタクトヒッターとして、ここまで良い活躍をしてくれていますね。開幕直後は本当に悪く、フォーシームを打っている様子が全く想像できない稚拙な打撃内容でしたが、ここ最近は結構頼りにしています。絶好調とか文句なしって感じの成績でもありませんが、このくらい打ってくれるなら十分かなと。ドミンゲス控えてるって言っても、荒いところが出る前に怪我してしまった分復帰からそのまま定着できる保証なんて1つもないしね。
成績面とは全く関係ありませんが、センタージャッジの介護をしようとしているのか、守備でやたらハッスルしているのがちょっと痛ましい。気持ち的に。
フアン・ソト ★★★★★
まさしくゲームチェンジャー。本当にいつもありがとうございます。
好調時はクラッチなパワーヒッター、不調時でも必ず四球で1度は出塁する姿は2番打者としてこれ以上なく頼りになるなと感じています。ここまでヤンキースがギリギリながらも勝てているのは間違いなくソトのおかげですね。
加入前不安視(フアンだけに)されていた守備面もオフに特訓したらしくかなり改善されており、特に開幕戦勝利を決めたスローイングには痺れました。打席を見ていても気合が入りまくっている様子がよく見られ、チーム柄おとなしく優等生タイプの多いヤンキースの中では非常にセンセーショナルで格好良い。
文句も懸念もないので特に言うこともありません。強いて言えば契約延長をお願いしますってくらい。どこぞの扇風機のせいでペイロールが逼迫されまくってるので9割9分オフのFAで移籍だろうとは思いますが。
アーロン・ジャッジ ★★★⭐︎⭐︎
今季大不振のキャプテン。
平常時より力みが感じられます。ソトがFAイヤーでコール不在の中、自分がチームを引っ張って今季でのワールドシリーズを、と意気込み過ぎてるんですかね。空振りないし三振が多いのはいつものことですが、三振か外野フライかサードゴロか四球かって内容になってます。
守備の動きもあまりよくないですし、お得意のファストボール系をあまり打てていないので、体にキレがない=STで痛めた脇腹か昨年怪我した足の指が芳しくないのではと思っています。相変わらず不調時でも四球だけは多いので貢献はしてくれてますし、強引に引っ張ったサードゴロがやたら目につく以外は打球の様子もそんなに変わった感じはしないので、底を脱するまであと少しな気はしますが…アプローチの問題ではなく怪我の問題だった場合にはどうなんでしょう。とりあえず引っ張り一辺倒でさえなくなればある程度改善すると思います。
ジャンカルロ・スタントン ★★⭐︎⭐︎⭐︎
高級扇風機。キャッシュマンGMに名指しでディスられ、不貞腐れるわけでも怒りを露わにするでもなく、減量成功という姿勢で見せてくれたのは非常に好印象ですが、ここまでは怪我こそしていないもののいつもとあまり変わらん内容だなーと。
序盤こそチーム内比では打ってくれてましたが、やはりそこはスタントンで安定感がなく好調がキープできません。お値段も高くペイロールを狂わせており、また貴重なDH枠も食い続けているので、批判を恐れず言えばヤンキースの低迷は彼のせいでしょうね。個人的には大好きな選手だけに今季大きな期待を寄せていたので、ここまでは非常に残念です。早くジャッジをDHにしてグリシャムをセンターで起用しましょう。
とここまでディスり倒してきましたが、ポジティブな面も話しておきます。昨年一昨年はひどすぎたBABIPがある程度揺り戻され、wRC+やWARベースではプラスの数字を記録中。打球速度や角度の付け方に衰えは全く見られず、捉えた時には相変わらず殺人的なライナーを連発しています。かつ、レバレッジのかかっていない大差の試合などではやはり最強クラスで、打ってるとこだけ見たらやっぱり地上最強打者です。そんな場面で稼いでるのでWPAはやっぱ低いんですけど。
上記のようにしっかりボールを捉えられれば間違いない選手には変わりないので、全盛期にはカモにしていた速球系をきちんとしばけるようになれば復活はまだ可能だと思っています。また、逆方向への打球もかなり減っている印象で、実際にマイアミ時代なんかと比較したらpull%は多少増えています。衰えというよりはアプローチの問題なのかな?とも感じる内容なので、基本は変化球を引っ張る意識で、ストレートはカット〜流し気味、これでどうでしょうか。