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公開講座と思い出話

ここしばらく日記をサボりがちなんですが、その間何をしていたかというと来年の公開講座の準備などをしてたのでした。

去年の7月から歌人の集まる団体のひとつ「現代歌人協会」のお手伝いをしています(理事という厳めしい立場をもらっていますが、内実は普通のボランティアです)。そして、新任が早く馴染むようにというご配慮なのだと思いますが、いきなり担当部門の長をさせら・・・任されているのでした。
引継ぎ期間となるはずの去年は感染禍により講座全体が休講、今年は前任者からの引継ぎの講座を勝手が分からない中で恐る恐るの開講。
なんとなく一回りしたところでこの秋から、いよいよ企画を立てるところが始まったわけです。

担当になった時、自分が担当の間に是非やりたいな、と思ったことがありました。
それは、オンライン受講の提供。

年寄りの思い出話で恐縮なんですが、私は1994年に20歳で結社に入会し、結社の歌会で基礎固めしながら名古屋という地の利を生かして超結社のイベントにも参加、とても楽しく7年間過ごしたのち、結婚のため引っ越しをしました。
連れ合いの勤務地は北関東で、都内までは在来線一本で1時間半。名古屋にいたときも中心部から家までは30~40分はかかっていたし、毎日という訳でもあるまいし座っていけるなら本でも読みながらプラス1時間は大した距離ではないと思っていました。
しかし、実際にはものの30分や1時間だったとしても、お開きより早く席を立たなければいけないのってやっぱりつまらない。そのうえ、子どもが生まれてしばらくはそう頻繁に出歩けないし、今みたいにTwitterなどでイベント情報が流れてくるわけではなかったので出歩けなければだんだん情報が入ってこなくなってくる。
そのころはちょうど、同世代の友だちがどんどん第一歌集を出し始め、また賞を取ったり、総合誌に寄稿したりし始めたころでした。おいて行かれたような焦りから、私は勝手にどんどん孤独になっていきました。

たまに、どうして私、まだ短歌やってるんだろう、と思う事があります。
あの数年間、確かに私、短歌なんてないほうが幸せだった。あのとき辞めていたはずだったのに。

それでもなぜか辞められないでいるうちに、引っ越したり娘が小学生になったりと環境も少し変わって、悶々と作っていた歌を歌集にまとめてそこそこ好意的に読んでいただいて、結社が論作両立をうたうところだったこともあって身に余る(ほんとに、自分でできるな、と思うちょっと上ちょっと上の依頼が3~4年続いた)書く機会を頂いて、あっぷあっぷしながらなんだかんだで今に至るわけですが、

あのとき、オンラインで短歌の話を聞ける講座やイベントがあったらどんなに良かっただろう

ということは今なおつくづくと思うわけです。

というわけで、この度の録画受講は、会場に行きたいけれど距離的・時間的・身体的に受講できないすべての人に向けて行っています。
実は、まあまあ大変なんです。動くのはハートからで、体感としてはそれだけでできそうだと思うのだけど、実際やってみると指先の神経みたいなところまで管理しないとすべてが滞る。
一緒に担当してくださっている方からは執念だと呆れられたり、自分でも(今はオンラインでもいろんなイベントがあるし、意味あるのかな・・・)と思ったりもするのだけど、あの時の私のようなひとが絶対いるはずと思って、その人たちに聴いてほしいという一念で突っ走っています。
なにしろ素人がYouTubeで学びながら編集した動画なので至らないところも多いかと思いますが、それでも聞きたい人がきっといる。と信じています。ぜひとも広く情報が届いてほしい。

何卒よろしくお願いします。
以下リンクに講座詳細が掲載されています。

https://www.kajinkyokai.com/event_information01.html