
共感できれば伝わる
振り返って見ると私は学校の授業などあまり真面目に聞く人ではなかったと思います。ただ、小さい頃は人から話を聞くことは好きで学校でも真面目に聞いていた気がします。ただいつからか人の話を聞くことが「つまらなく」なりました。
一方社会に出て、講師などをすることでなぜ「つまらなく」なったのか、根本的なことに気づくことができました。
今回はそんなお話です。
聞く原動力になる「興味」
人の話を聞きたい、映画を見たい、本を読みたい・・・様々な情報を得る機会において何かをしたいと思える背景にみなさまの「興味」があります。当然ですが、興味のない映画を時間やコストをかけていく人はいないでしょうし、見た上で「共感」することもないのではないでしょうか?
世の中にはそんな「自分にとって興味のないもの」が多く溢れています。
ただ、学習や業務など例え自分に興味がなくても学ぶ必要のあるもの、知る必要のあるものが世の中にはたくさんあります。
私が講演などでお話させて頂いている機会も人によっては「上司から勧められて来た」なんて人もいるでしょう。そういう人は参加したとしてもつまらなかったと感じることも多くあるのだと思います。実際、そういう人を時折会場で見かけます。
講師は会場の参加者の顔をしっかり見ながら話をしますので、興味がある、ないということが話している時にも見分けられます。なので私は基本参加者側になった際、興味津々な顔で講師を顔を見続けます。その方が講師が話しやすいからです。
ただ、そういう方にも少しでも興味を持ってもらう様な施策を打っています。
難しいと思わせない案内分
まずは、案内状に書かれるような案内文です。
少しスタイリッシュな講演をしたい、自分を大きく見せないなどの意識があると難しい横文字を組み合わせ「なんだかすごそう!」と思わせる様な概要たタイトルが付くことが多いですが、私の場合は逆に「中学生でもわかる様な言葉」で、「何がしれるのかが簡単に分かる」様にしています。
ターゲットを明確にし、そのターゲットがわかる様なキャッチーな言葉を使えば良いのではないか?とマーケティングなどをやられている人は考えがちですが、私の場合は、そのターゲットから少し外れていても聞きたくなるような文面にしています。
現状のメインターゲットが今後も同じターゲットだとは限らないからです。
私の話を聞き、興味を持ったことで新しい一歩を踏み出すかもしれない人も含め、「気軽」に参加してほしいからです。
講演内容も興味を示す「楽しい」話を
案内分で興味を持ってもらっても「学問的」な話に終始すると聞いている人が理解できないことが多いです。ですから私の場合、聞いている人が楽しい、面白い、と思ってもらえるような資料の作り、話かたをしています。
講師が壁を作ると聞いている人達も壁を感じるからです。
「ただ、ある程度専門的な話をしないと専門的な聴講者はつまらないのでは?」
とおっしゃる方も多いですが、一部の専門家の方と議論をすることが講演の目的ではありませんので、そういう方が少し物足りなさを感じるかもしれませんがより多くの方を楽しませる資料・話にします。
SF好きの方がSFの背景にあるサイエンスについて映画で詳しく理論立てで作り込んでほしい、とは思っていないと思います。ある意味丸める部分も必要ですが、「ちゃんと理解して端折る」ことで納得感が生まれます。
私の場合は少しエンタメ寄りに資料を作ります。説明の仕方も専門的な言葉を使わず万人がわかる言葉にします。そういう背景からすると「厳密にいうと間違いではないか?」という表現を使うこともあります。
ただ、聞いている人が専門的な、かつ詳細なことを知ることよりも感覚として掴めることが重要だと感じています。私の話は本当の専門家や学者の方からするとツッコミを入れたくなるかも知れませんが、あえて変化させています。
専門的な学問を講義しているわけではないのです。
面白い、楽しいは共感につながる
自分にとって面白いこと、楽しいこと、理解しやすいことを聞くと人は共感しやすくなります。例えば製品を売りたいという人が専門的なことを話したとしてもお客様が理解できなければ買いたいとはなりません。
「細かいことはわからないけど自分にとって有用」
そういうふうに感じることができれば人はアクションすることができます。
専門的な言葉や背景は一旦横においておき、相手の興味を示すことに分かりやすく伝えるということを試してみませんか?