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ギャップを埋めると世界が進化する

 実は最近密かに増えている講演テーマに「ギャップ」があります。
 お世の中にはギャップがたくさんあり、これらを埋めることで世界が進み始める・・・今回はそんなお話です。

そもそも「ギャップ」とは・・・

 普段の講演依頼で「ギャップ」について話してください。という話を頂いた際、背景的には「最近の若手の考えが分からない」「うちの会社は時代に置いて行かれてないのか?」など、違和感や感覚の違いから依頼を頂いています。
 違和感、つまり、何かが少しおかしいという感覚と、比較対象と自分の距離感が開いている様に感じることを「ギャップ」という言葉で語られる方が多いです。
 このギャップですが、なぜそのような違和感を感じるようになったのかという部分が理解できれば埋めることも可能です。

若手の考えが分からない

 仕事をしていて最近の若手の考えが分からない。指示をしているのにやってくれない。何も聞いてきてくれない・・・そういう「違和感」を感じて依頼頂くケースも多くあります。
 このギャップですが、デジタル時代となり急速に周囲の環境が変わる中、年々ギャップについての依頼が増えています。
 なぜこのギャップが生まれてしまうのでしょうか?
 それは、皆様が育ってきた背景を今と昔で比べてみると「違和感」のもとが見えるようになります。

 例えば、日本の平均年齢となる49歳の方々が育ってきた背景を考えてみましょう。

 大学を卒業した年で考えると昭和という時代が過ぎ平成へ変化しました。それまでアナログだったものがデジタルに変化し始めた時です。学生時代までは紙、ペン、というモノを使い、人と連絡を取るにも固定電話か手紙&ハガキな時代です。通販は生協の宅配やカタログ通販でCDやDVDの媒体を使ってメディアを見ていた「現物時代」です。
 一度買ったモノは現物を持ち続ける以上使い続けられ、新たなものを手に入れるためには大きな投資が必要な時代でした。
 「ギャップ」について依頼を頂く方々の世代は大体この年齢層あたり以上の方々になります。

 その相手となる「若手」は、新入社員〜30歳前後までを指すことが多い様です。

育った時代の違いが「ギャップ」を生む

 では30歳として考えてみましょう。
 30歳の方が生まれたのは、デジタルに変化し始めた時、手紙&ハガキはメールに変化し始めた時代でインターネットは当然普通に存在していました。学生時代などになるとスマートフォンが登場し、SNSを通じてコミュニケーションすることが当たり前になってきました。動画などはYoutubeで気軽にみることもでき、音楽などは配信で手に入れる時代です。通販などは楽天やAmazonなどが登場し気軽に最新のアイテムを手に入れられる様になりました。サービスモデルも定着したため、いろいろなやりたい「コト」をすぐに始められる様になりました。

 上記の違いだけでも、相当な「ギャップ」があります。

「マルハラ」はなぜ起きる?

 例えば、最近「マルハラ」という言葉があります。文面の最後に「。」をつけることが威圧的である。という意味ですが、年配層と若手でこの「。」に対する意識が異なることでおこっています。
 例えば、手紙やハガキを書いていた時代からメールに移行した人たちは文字によるコミュニケーションは「文章」でした。会話はともかく、文字にする場合は、文章で情報をたくさん入れ、相手に伝わる様にするということが当たり前でした。
 これが若手になると理解されません。

 若手は文字でコミュニケーションを行う際、チャットを使います。チャットは言葉を文字化したツールで文章をやり取りするものではありません。
 つまり、会話でわざわざ「。」をつけることはないのです。また、やり取りをスムーズにするため、長文ではなく、短い言葉で紡いでいき、相互の認識を高めていきます。

 つまり、「文章」と「会話」との「ギャップ」が存在するのです。

 気軽に話をしたいのに、目の前で文通をしてくる感じ。と言えばわかりやすいでしょうか。つまり、感覚の違いを認識しないと「ギャップ」は埋まりません。

 ただ、この場合、どちらがダメでどちらが良いか。と言い切れるモノではありません。お互いが感覚がちがうということを認識しつつ、どういうところが落とし所になるのかをすり合わせしていく必要があります。

「ギャップ」はどこにでも存在する

 今回ご紹介したのはコミュニケーションにおける「ギャップ」ですが、コミュニケーション以外にも多くのギャップが存在します。
 比較相手の背景を知ることでどのようなことが「ギャップ」でどうすれば埋めることができるかが見えてきます。

 「違和感」を感じた時に一度立ち止まり違和感の元を考え、対応を変えていくことで大きなギャップに育つことを阻止することもできます。

 常に新しいことを学びつつギャップを埋めていくことが変化の激しい現在に求められる処世術かもしれません。

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