倫理資本主義の時代
タイトルに惹かれて購入したものの、なかなか手強い文体にて読了苦戦中。
作者のマルクス・ガブリエルは哲学者、ということで、そういやオレも大学時代は哲学科専攻だったよなぁ、と懐かしい。
ここ数年、お金のことで苦しめられた。し、コロナ禍の三年間で資本主義経済下における富裕層の立ち居振る舞いにかなり懐疑的になってしまった節があり、かといって一文無しでは生きていくのもままならない、という現状のジレンマもあり、「さてどうしたもんか?」と答え探しをしていた。
そしたら、こういうタイトルで「そうなんだよなぁ、金儲けにも倫理は必要だ。理想主義的であっても倫理的価値観がないとなぁ」と妙に納得してしまった。
音楽業界でもここ数年で以前のCD時代にあったビジネスモデルがガタガタになって、いくら再生数が伸びても音楽家は儲からない構図が出来上がってしまい、さすがに「売れなくてもいいから芸術を追求する」とまで高尚なことも言ってられんなぁ、という気持ちが強く支配してしまったので。
かといって、何でもがむしゃらに金儲けして音楽活動を続けるのもなんだかなぁ? という抵抗感もあり、その間のジレンマはいまだ自分の中では完全に解消したとは言い難い面もある。
ま、私ごときは経営者にも資本家にも向いてない、という事実ははっきり自覚させられてしまってはいる。
それでも、「何か世のため人のためにならんかなぁ?」という気分は持ち合わせているので、なんとかやりくりして人生を楽しませてもらうしかないだろう。
どうせ生きているのだ。
苦しみながら死ぬ前に、一時の楽しみを得よう。
倫理的であることは、知的快楽への第一歩である。