WHOコロナワクチン接種勧告改定 英語と日本語の微妙な違いはあるけど、全員に接種し続ける必要性は減っている

ロイターが発信したニュースでいろいろまた揉めました

>WHO、コロナワクチン接種勧告を修正 健康な子ども必要なし

WHOの原文は主にブースター接種の必要性について書いてあり

2価ワクチン含めてワクチンは安全で有効

ブースター含めて3回はワクチン接種をしよう

高リスクの人たち以外3回以上のブースター追加接種は必要性は低い!

生後 6 か月から 17 歳までの健康な子供と青年は、感染しても重症度が低いためさまざまな条件(コスト、感染状況、等)を考慮して接種するかを決定
ただ公衆衛生的影響は他の子供向けのワクチンより優先度は低い


6ヶ月未満や妊婦はやや必要性が高い


等だったのですが、ロイターはそこから少しPVを稼ぎたいためにやや煽りも入り「健康な子ども必要なし」と表題になったのでしょう。

ただあくまでこの提言の前提条件は

多くの人がワクチン接種や感染で免疫を獲得したことを受け新型コロナウイルスのワクチン接種の優先度に関する新たな指針を公表

となるため、日本のように感染者が少し少なめ、小児へのワクチン接種率が低いことを考えると、慎重な医療者はつい考えてしまいます。

そのため手を洗う救急医Taka先生のツイートのように

>・健康な子供には必ずしも必要とは言えない(may not necessarily need)>・優先順位は低い(low priority)>・全年齢で安全(safe for all ages)>等の表現から、(小児へのワクチン接種を)否定するものでないのは明白です。

と断定を嫌う医師たちの慎重さからくる発言が出てきました。昔の記事ですがまあ小児への接種はオミクロン後本当微妙です。
そんなこんなでロイターは表題を以下のように変更しました。

>WHO、コロナワクチン接種勧告を改定 健康な子どもは必ずしも必要なし



この必ずしもという言葉が付くだけで印象はかなり変わります。

原文やその後のInside Paperからまとめると、WHOが言いたいことは、健康な子どもへのコロナワクチンは必要なしではなく、公衆衛生上の効果は他の子供専用ワクチン(ロタウイルス、麻疹、肺炎球菌結合ワクチンなど)と比べて低いということで間違い無いでしょう。


実際少し遅れて発信さえれた下記のNHKの記事のニュアンスはロイターに比べてだいぶ正しいものです。





>60歳未満の健康な成人や、基礎疾患のある子どもや若者については、追加接種、いわゆるブースター接種は1回までを推奨し、「それ以上の接種も安全だが公衆衛生上の効果は比較的低い」として、定期的な接種については推奨することはしていません

>健康な子どもや若者への接種については安全で効果はあるものの、感染時に重症化しにくいため「接種による公衆衛生上の効果は、はしかなどの従来の子ども向けワクチンと比べ、はるかに低い」として、接種は各国の判断に委ねています

そしてハイリスクに対する
>優先度の高い対象への定期接種は妥協してはいけない

とまとめています。

英語を日本語にする難しさはよくわかるのですが、医クラも絶対に全員に接種し続ける必要性はかなり減っていると素直にこの提言を受け入れていけばいいのかなと個人的には思っています。


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