「わたしの叔父さん」を観た

デンマークの片田舎
叔父と二人農業を営むクリスの物語

早朝、目覚めるクリス、叔父との朝食
牛の世話、夕食、食後のボードゲーム
ルーティーンのような毎日
オープニング数分間は二人無言です

繰り返す日常に僅かな亀裂が入る
クリスの夢が現実に向けて動き出す
体が不自由な叔父の世話、農作業
選択を迫られるクリス
私の幸福はどこに有るの?

本編で語られない叔父の姿を想像する
家族を亡くした少女クリスの眼に映る
叔父はとても逞しく、彼女は何度も
救われたのだろう
世話をする以上にクリスにとって叔父
の存在は特別なものでは
叔父のいない世界は存在するのかなとも
クリスは幸福なのではとも思う

時にユーモアを交えながら二人の暮らし
ぶりが淡々と語られ、一歩を踏み出そう
とするクリスのザワザワ感も語られます

日常のズレが新たなズレを呼ぶのは
ジャームッシュ「パターソン」と似てる
二人とも小津さんを敬愛しているので
そういうことかなと
こちらの物語の軸は小津さんの「晩春」が
ベースですかね

監督によるとラストは観客に委ねてるそう。
彼女の心持とリンクしてるような晴れやかで
はない風景がとても美しいです
叔父さんに役名付けずに個を消してる
とても良い。叔父さんは叔父さんでいいかと

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