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ウソについて・記憶

 子供の頃、
初めての社会生活を知った
幼稚園の頃、

私は常に嘘をついていた。

周りの園児と話す自分のこと
家のこと
昨日のこと、

頭に浮かぶ“こうだったらいいな”を全部
ほんとうのことのように。

とても簡単に
信じてもらえていい気分になるので、
家だとママには叱られるけれど、
外ではこんなに楽なのか❗️と。

しかしそのうち、
この人に言ったこと
あの人に言ったこと
全て覚えていないといけないことに気づき

全ての力を
ウソの記憶に費やさなくてはいけなくなり

こんな記憶の努力よりも
『ほんとうの自分をなりたい自分になるための努力』
の方が、合理的である

と思って
ウソの毎日をやめたのである。
小学校に入る前のこと。

そんな記憶を
ふと思い出した、春の日

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