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雨の季節に

しっかりと降る雨の日に
思い出すことがある。

何回目かの瀬戸内国際芸術祭の直島でのこと。

あの日も終日降っていた、夏の終わり。
寒くはないけれど、
濡れないように傘をさしては入口で置き、
長靴を脱いでは、
また、履く。
折り畳み式の傘は風に弱く、
常にそっくり返る寸前の気配の中、歩く。

アートに触れて、
自然に触れて、
雨風も自然の一部だという気分の島で、

ふと隣にいる異国の面面は、
なぜか雨に負けてはいないおおらかさ。

私も負けずおおらかにいきたいけど、
ちょっと面倒な傘と長靴。

直島には異国の方がたくさんいるけれど、
みな同じように自然の中をおおらかに歩く。

『全天候服』
なるものをつくりたいと
あの時思ってから、
ずっと頭にあるイメージ。

まだカタチになっていない。

服が必要なのか、
心が必要なのか。

自然にたくさん触れて、
良い服も沢山作って、
心も強く自由になろう。

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