レッスンの記録#1「好きなものを集めたジャケット」
今日またひとつ、 生徒の“自分にしか作れない服”が完成しました。なんと本格的な作り方のテーラードジャケットです。
レッスンは、回数も頻度も作りたい内容も全て生徒からの提案が元になります。 この生徒は(コロナでなければ)月一で、初めの頃は月3くらいでしたが、服作りに慣れてからは、 宿題もからめながらの月一ペースに落ち着いています。スタートさせてから6年半くらいになります。大学で少し習ったとはいうものの、服作りはほぼ初心者でした。
ブラウス、帽子、スカート、パンツ、ワンピース、ジャンバースカート、と進んでいくうちに、 普通なら縫いづらい素材や、布に刺繍や膨らみなどの加工をしたり、付属品にも凝ったり、そうなると私からする提案の縫い方も挑戦的なものになったり。 本人も、好きな布やボタン、毛糸や糸など、常に探す目を持って生きるようになって、好きなものだらけで頭がいっぱいになります。そんな気持ちやアイディアを出してくれるから、私も本気度のギアがあがります。
考えてみると、 「何回でできますか?」などと結果にコミットするような思考は存在しません。 常に「自分の好き」を中心に置いて、私はそれが「変わった趣味」だけにならないように、「いろいろな想いが詰まっているけれど洗練さや高級感もある」ように、それも生徒本人の手で仕上がるように教えていきます。私が教えるというよりも、ふたりの熱量が導いてくれるというべきかもしれません。
きちんとしたコード指定の時にも着ていけるジャケットが元の生徒の気持ちでしたが、 「私はこうです!」をひと目で表せるジャケットが完成。 たとえばこれを着てお見合いして、 振られたらそれが正解、なジャケットだねってふたりで笑いました。 素直な生徒に恵まれて嬉しい195レッスンです。