激しい雨、仕事の原稿、そしてジョー・パス
どうしようかと思ったけれども、やっぱり仕事の1日
雨の土曜日の雑文です。ゆっくり寝てようと思いながら、6時半に目が覚め、カーテンを開けると春の雨・・・と思っていると、徐々に激しくなり、風も加わり、お昼時は嵐のよう。ベランダの植木鉢が倒れるほどでした。
NHKの「おはよう日本」「エール」を見て、さてどうしようか。読みかけのミステリーを読むか、ダウンロードしてある映画を観るか・・・ぼんやりと考えながら、Macを開くと仕事のメールが何本か届いています。
結局は返信が必要なメールを送り、そのまま仕事です。月刊誌の連載原稿の校正を終えてメールで送信。そういえば、この連載も7月号までは取材が終わっていますが、その後は新型コロナウイルスの影響で一時中断です。
タマゴサンドでランチを軽く済ませ、またMacに向かいブランディングクラブ会報「ブランディングレポート」の原稿。テーマが決まるまではあれこれと悩むけど、後は書いては修正の繰り返しです。やっと書き上げました。
ジャズギタリスト、ジョー・パスの演奏を聴きながら
テーブルの横には、昨年の誕生日の息子夫婦からプレゼントの「Amazon Alexa」。Amazonミュージックでずっと聴いていたのはジャズギタリストのジョー・パスです。その超絶技法はさりげなく、繊細で、何とも優美です。
とくに好きなのはソロギターの可能性を追求した『ヴァーチュオーゾ」というアルバム。何度聴いても最高です。聴き惚れてしまうと、原稿が一向に進みません。
ジョー・パスは若い頃から麻薬に手を染めた人です。逮捕され、3年間入院、その後も麻薬から手を切ることができず、行き着いた先がサンタモニカにあった「シナノン」というリハビリ更生施設でした。
この「シナノン」には何人かのミュージシャンも入所しており、施設内でバンド演奏(結構ゆるいです)をしていたのです。この演奏をパシフィックジャズのオーナーが気に入り、レコーディングの話が持ち上がりました。
1961年にデビューアルバムを出したのですが、タイトルは「サウンド・オブ・シナノン」、そうです、シナノンのジャンキー仲間と録音したのです。この時点で30歳を超えていたので、遅咲きのミュージシャンですね。
こうして社会復帰のチャンスをつかんだジョー・パスは複数のリーダーアルバムやスタジオセッションをこなすようになり、その評価を高めていったわけです。ジョー・パスの考え深げな顔つきにはそんな歴史があります。
この「Summertime」は1992年のもの、肝臓癌で亡くなる2年前の演奏です。ジャズに魅せられたミュージシャンはたくさんいますが、こんな表情の人はそうそういません。最後に流れる本人の「Thank you」の声は優しい。
これを聴いていたらお酒が飲みたくなりました。そろそろ仕事を終わりにして、お風呂にでも入って、ゆっくりともう一度聴きましょう。コロナで気が重く、天気も悪かったけど、ジョー・パスでちょっと幸せな土曜日です。