珈琲店にて

貴女が微笑んで
小首を傾げると
テーブル脇の
棚に置かれた
一輪挿しの水引草が
その髪にかかる

すぅーっと二本
きらめいてそれは
簪のよう

まだ間もない
二人の会話が
水引草に沿われるように
澪標を伝い
滑っていく

ときおり
ちらちらと
揺曳する
細かな紅に
照らされたりしながら

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