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【NIWAのはなし】番外編 胡蝶蘭
胡蝶蘭は熱帯雨林気候地帯の森林が原産。根は本来、木の枝などに枯葉などが積もって土壌化したところで体勢を保つためのもので、水分を吸収するためだけの器官ではない。そのため、贈答品としての胡蝶蘭の花の終わった後の管理として水をやりすぎて枯らしてしまうことが多い。
・・・の、だそうで、
夫の事務所にあった数鉢を救済してきた。根腐れと葉萎みの始まった株を抜いて死んで黒ずんだ根っこを切り、空中で乾燥させた。元々植物栽培が趣味の夫は、弱った株をどうにかしたいと調べていたのでその方法を試すことにした。タイか、インドネシアの動画を参考に、米の研ぎ汁に潰したニンニクを入れ成分を移した水で消毒・活性化させ、再度乾燥。
この間に、その手があったか、とYoutubeでランの栽培法を貪りみる。
最近の胡蝶蘭栽培は進化、というか分化を遂げていて、びっくりするような方法があったのでちょっと紹介。
1)背高な円筒形のガラス器内で水栽培。
これは小型のエンジなどの色付きの株に合っていそうな。
・イギリスあたりではハロッズの生花コーナーでギフト用に販売
2)水苔を使うバージョン
・瀕死の株を再生させる方法として
バナナの皮と水をミキサーにかけ、乾燥させた株に与える。
・またはコカコーラをニンニク米とぎ水に加えて与える。
・究極、プラコップに逆さに入れて株下の成長点に吸水させる。
これは南国のプロ栽培家のバージョン
3)空中栽培バージョン
・一定量の水苔をカップ状に成長した気根に抱かせ、本体は
針金で吊り下げる。
・ビカクシダを仕立てるのと同じ要領で板と水苔で仕上げる。
最初に説明したように、胡蝶蘭の根は株が直立するための地固めの役割であって吸水がメインの役割ではない。吸水は株元の葉と根の分岐点近くが一番行われ、反対に根は一定以上水に浸かっていると腐ってしまう。また蘭は広く厚い葉からもわかるように植物の中でも歯から水分を多く吸収する。 だからどの動画でも成功している胡蝶蘭はたいていその後ろで加湿器がたかれている。
事務所の使わない部屋で胡蝶蘭の根っこを干しながらいろんな動画を見ているうちに、何が正解かわからなくなってきていた。動画は再生回数を稼ぐため嘘とは言わないまでも派手だったり常識破りなやり方でクリックを稼ぐ。南の国の蘭マスターのは、最初のニンニク水だけ真似させてもらい、「要は栄養素の多く含まれた水を与えるってことね」とエッセンスだけを拝借することとした。たわわについた蕾が全部嘘だとは言わないが、特別な栽培法が功を奏すのはみっしりとした湿度と一年中下がらない気温があってのことだ。
次に気になったのは、完全空中栽培。株に少量の苔を抱かせ、細い針金で株を釣るやり方はきっと一番、野生の植生に近い。真似てみたいとも思ったが、動画やアップされている写真に花の咲いているものがほとんどないので難しいのだろうと推察した。
胡蝶蘭は花は大きくてゴージャスだが、葉っぱの艶や元気な姿は見ていて絵になる。花が咲かなくても楽しめるのは、シダと同じ仕立て方で作るのがあっている。
DAISOでベランダ用のウッドパネルを買ってきた。それにまずは針金で株を固定させ、水を吸わせた苔をまき透明テグスでぐるぐるっとやって丸く形を作る。さてこれをどこで栽培しようか。思いついたのがお風呂場。
あたたかくて湿度がある。水やりで溢れても心配ない。板ばりは壁にピッタリすれば、多少葉が重くてもバランスを崩すことがない。
目安は2ヶ月かな。
それで根っこが再生されなかったら、失敗。あっさり諦めよう。
根っこなのに、濡らしすぎない。濡らすなら完全水耕栽培。
水は先っぽだけ?スッポリ根元まで?
葉から吸わせる?
どうやら育てる環境と、一つ一つの株によって細かく調整してやらなくてはならないらしい。そんなところは個性のある人間みたいで面白い。
動物だって一頭一頭、違うんだから。とことん付き合ってみようか。