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11月3日オツな土地もの、季節もの

 11月は新酒の季節であーる。かのヌーボーは朔にあらず、今年は21日だそうで。しかたないので自分で調達しちゃいました。庭の産物もちょうどいい具合。辛口の塩味すら感じる白を大きなグラスに二杯ほど。結構いい感じです。近頃は地もので完結させるのが体にいいとか。庭の産物の黄金色の液体はさてhangoverを起すか

 さて、なぜこれに手が伸びたかというと特別おいしいチーズを入手したから。千葉の外房海まで程近い、山の中のチーズ工房作です。初めて食べた時、クセのない味にチーズの概念がくつがえりました。なんともタンパクで滑らかで、それでいてドライなアルコールに負けないのです。
 うみべりの料亭で白身と光物の刺身を並べられ、わずかな地の塩をのせ口に運ぶ。一切れ一切れ温度と香りと舌触りと押し返す歯応え、味が違い、それで出自を知る。そんな感じのチーズです。
 そうこのチーズは素材。それもそのままキトキトをいただくのが最高に美味しい素材。
 チーズダッカルビやカールチーズ味、ピザ、あの黄色くて濃厚な全て丸く収めてしまうチーズもだいすき。でもそれとは違う。別物。
 またいただきたくて月一回だけの営業日、チーズ工房千さんまでドライブした。

良いお天気
おしゃれな旗が目印
古民家の中庭で開かれていた
小さなマーケット

 工房の店主、千代さんによるモッツァレラチーズの実演は出来立てが頂ける。4秒以内に口に入れるルール。それを過ぎると脂肪分が変化して味が落ちるそう。さっそくカプリ。とろける。噛むほど歯応えがでてくる。あれ?チーズってこんなんだっけ?というくらい繊維を感じるようになる。最後はするりと奥へ、あとは濃厚な旨みとミルク香が残った。

 私が惹かれたのは、チーズをその土地の菌で作るという意気込み。千代さんは本場で修行するも、日本では超えるものを作る事はできない、日本の菌で日本だけのチーズを作る、と決心。海外の賞も受賞するチーズも作っている。今年は他に8人の国内のナチュラルチーズ職人と合同で海外のナチュラルチーズコンテストに出品するとか。頑張ってほしくてクラウドファンディングに参加させていただいた(お目当てはリターンのチーズです、もちろん)。 届くのは年明けすぎてからと。待てないのでお買い物してきました。

 これが我が家の「美味しいもの」によく合う、合う。ほんとうの地産地消ですわ

冷蔵庫に“千”のチーズのある幸せ

 千葉いすみの牛乳と、千葉の乳酸菌、九十九里の塩、千葉山武市の杉を使っているって地物にこだわっているのも見上げた努力である。

  千葉は、いま熱いらしい。以前は川崎からフェリーが通っていたけどね、復活したらいいのに。今は海ほたるですか、あれで東京から一時間半。古民家と作業用の家屋が並んで立っていて、手前が販売所。庭にチョコレート屋さんや薬膳の露店が出ていてお出かけに良い空間。

”せかいいち”のチョコ

それからこれも、めっけもん。海外の旅先で見つけた美味しいものを通販しているらしい。お高いけどうまい。テンパリングしてあるピカピカしたチョコとは違う。口溶けやばい。

 若い人たちが、自分にとって納得できるものを商業的な勘定より優先させて頑張っているのは見ていて嬉しい。時代が変わったとも思う。それが楽しくて海外を旅しているような気すらする。だけどとうの本人たちは、海外には憧れを持っているわけじゃなくて、日本と自分の足元をちゃんと見ている。そこで生きているのが勇ましいて、頑張ってと声援を送らずにはいられない。

 地産地消は身体にも良いようで、宴のあとスッキリ目が覚めた。
 次はハードタイプのうぶすなと、デザートチーズのむすびを、狙っています。それとどうしてタイプの違うチーズができるのか、ちょっと訊いてみたいなぁ。

 



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