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保育園バスと同様に、教室でも毎時間、人数確認を

 運転手は園児の降車後に車内を消毒することになっていたが、その日は3名の運転手全員が欠席で園長が運転をした。たとえ慣れていない園長であっても消毒をしていたらバスに置き去りにされた園児は死なずにすんだ。また、欠席確認連絡がズサンだったらしい。この状況を聞いて小中学校の教師の多くは驚いたに違いない。しかし、
「無断欠席が日常的だったから出欠を確認しなかった?」
「これは決して有ってはいけない。」
果たして、こう言い切れる教師が何人いるだろかと考えた。
 小中学校では毎朝、欠席連絡のない保護者に直接電話連絡を行う。こうするよう管理職などから指示される。言われなくても朝の欠席確認が必要なことは理解できる。この欠席確認が保育園になかった点は大いに責められるべきだ。しかし、
「授業ごとに必ず出席を確認している教師ばかりではない。」
「こう思うのだが、違うだろうか?」
実際、私は教員人生最初の数年は教室にいた生徒だけを相手に授業をした。不在生徒の確認をせず、閻魔帳に出欠記録をつけなかった。新任から毎時間欠席を確認する指導を受けてはいなかった。私のように職業意識の乏しいヤクザな教員が欠席確認の重要性に気づくには数年が必要だった。
 欠席者は当然教室には居ない。また、登校した生徒が必ず教室に居るとは限らない。保健室に行っていたり係の仕事で遅れたりすることがある。授業ごとの出欠の確認を省くと事件が起きる。
 全休していた生徒がテストだけ受けて満点を取って通知表に5をつけた。私などは成績はこれでもいいと思うけれども、文科省も校長も許してはくれない。教員を続けて給料をもらうためには授業を欠席した回数も成績に入れなくてはいけない。
 学校が正常に機能していれば無断で授業を欠席する者はいないけれども、学校が荒れてくると授業をサボる生徒が現れる。体育館裏などでタバコを吸ったり、時には不良同士で喧嘩になったりすることもある。もし、怪我や死亡事件が起きたら授業で出欠を取らなかった教師と、サボった生徒を捜索しなかった学校に責任が生まれる。
 現在の新任研修は知らないから不確かであるけれども、教員は新任から一人前に扱われる。だから、生徒管理のノウハウは何も教えてもらわない。ただし、授業研究についてだけはしっかり教えられる。私はこれは逆だと思っている。授業のやり方は新任教師自身が10年以上授業を受けてきた訳だから、教えられなくてもある程度はできるし、自然に向上していける。しかし、生徒管理のノウハウは簡単には気づかない。また、生徒を管理する根拠も教えてもらえない。
 学校はバスの置き去り死の保育園よりは少しはマシだが、荒れてない小中学校の教員の意識レベルは大差がないと思うのだが違うかな?

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