実録ICT支援員「老人は業務時間が楽しい」
メガネをかけた矯正視力はいつでも1.2あったが70歳を過ぎるといくら目を細めても0.8が限界で、ヘタをすると健康診断で行く病院の視力測定器から出される結果は0.6であったりする。目は見えるけれども視力は歳と共に低下している。もっと顕著なのは聴力で現役時代間際から身体検査で「少し聞こえが悪いですね」としばらく言われ続けたが、今は検査前に「補聴器をつけているので、とります」と言ってから検査を受けるようになった。2階でテレビを見ていて贔屓のドラマが始まると仕事用のリュックのある階下に補聴器を取りに戻る。ジワジワと老いが忍び寄っている。不安がもう一つ。腰の痛みで走れなくなったし長距離も歩けない。3kmほどの散歩がやっと出来る。老いはドッとはやって来ない。忍び寄る。結構大きな不安と恐怖を味わっているのだが,同時に今を楽しく有意義に過ごしたいとの思いが強くなる。人は年齢を重ねると優しく笑顔を心がけ、物分かりが良くなる。
まだ,作文が書ける。動画が作れる。仕事ができる。行く気になれば旅行だって出来る。最近、作文する意欲も持ち直した。動画もチャンネル登録者が950人を超え1000人に達するのを楽しみにしている。そして、仕事が楽しい。
昨日、日案をGoogleカレンダーに入れて欲しいと要望された。年間行事予定はGoogleカレンダーに入れることができて嬉しかったが,1日6時間の授業内容を1年分を入れたらどうなるだろうかと想像した。入力に手間取るだろうし管理者が点検するのも大変だと否定的に思った。しかし、
「うーむ。」
駅まで歩くうちに面白いアイデアだと思い直した。
知多半島では「日案」と言うが、他の地区では「週案」と言う毎時間の授業内容を記録したものである。計画し、授業後に反省を記入し、管理職に提出する帳簿である。大切な記録だが、毎時間の計画と反省を記録に残すのは大変である。もし、毎日毎時間の日案がカレンダーに入っていれ電車の中でもスマホやタブレットで入力でき、入力した後に確認でき、修正もできる。すでに学校行事をインポートしてあるから照らし合わせることもできる。
「これは良いかもしれない。」
日案には1週間分の全授業をワードやexcelやアクセスで表にして記録している。1日毎に日付と6時間授業の開始時間と終了時間、タイトルと内容とその日の行事予定をGoogleカレンダーが読み込める形式でスプレッドシートに書き出す。それをカレンダーで読み込ませれば出来る。
翌日、試行錯誤を繰り返し、1学期分の日案をGoogleカレンダーに入れて欲しいと言った先生のカレンダー転送に成功して、彼に見せると大いに喜んでくれた。しかし、Googleカレンダーを管理職と共有して見せても帳簿としては認めてもらえない。Googleカレンダーを校務パソコンにエキスポートして管理職が望む1週間の表に書き出さなければいけない。
「待てよ、」
「そうか。」
Googleカレンダーを使わずに日案のスプレッドシートをクラウド上に置いて、それを管理職と共有すれば良い訳だ。
「これは、これは、」
まだまだ、業務時間内に楽しめそうだ。