ICT支援員業務日誌「大したことではない」
終業式より1週間早く、今日でICT支援員の1学期の勤務が終了しました。勤務時間終了間際に養護教諭からユーザー辞書の登録を頼まれました。
1年1組1番ならば「1101」と打てば「愛知太郎」と変換され、頭文字に@をつけて「@あた」と打てば「愛知太郎」と変換できる辞書を学校ごとに毎年度作っています。ところが一つの中学でユーザー辞書を作りましたと宣伝したところ、学年生徒のユーザー辞書は◯◯先生が作ってくれたので必要ないと言われてガッカリしました。全学年あった方がいいし、職員も苗字と学年だけでフルネイムが出てくるし、番号が分からず名前を覚えている場合は「@あた」の機能も役に立つのだが、私のユーザー辞書を登録する気はないらしかった。7年前に私がこの学校に紹介してから作る先生も何人か出てきたのだが、最近転勤してきた若い人は、そんなことは知らない。まあ、一応は先生たちの役に立った訳だから十分だと思うことにしていた。1学期最後の今日、そんな私に嬉しい申し出があった。
4月に私がユーザー辞書を作って校内連絡を済ませたけれども、彼女はそれを見落とし最近、隣の中学の養護教諭からユーザー辞書の存在を聞いたらしい。
コンピュータに詳しい教員ならユーザー辞書程度の作り方は誰もが思いつく、大した代物ではない。でも登録をたのまれ設定して喜ばれるのは嬉しい。
この日は時を移さず生徒指導主事から「制服に関する生徒用アンケート」をロイロノートで作ったので、これを保護者用にGoogleフォームに作り直して欲しいとの要請をいただいた。
この仕事の手順はロイロノートアンケートの空データをCSVファイルでエキスポートする。すると質問と選択肢が1行目に出力される。1問目の問題文と選択肢だけをコピーして行と列を入れ替えて別のシートにでも貼り付ける。すると1問目のアンケートデータが1列に並ぶ。こうしてできた1問目のデータをコピーしてGoogleフォームの1問目に貼り付ける。1問目のアンケートが出来上がる。この作業繰り返して、最後に保護者用に文面を変えたり複数回答をセットしたりすれば完了する。
「もう、できたんですか?」
驚いてくれるのは嬉しい。気分よく回答者用URLのQRコードを作り、高浜中学の生徒指導主事とフォームを共有する方法を説明して任務を完了した。
高浜市はGoogle workspaceを使っていないから、先生たちはGoogle関係の知識と経験に乏しい。だから私の出番になる。
この日は南中学校勤務で、前日は高浜中学校の勤務日でした。10日前、2学期に行われる合唱コンクールの練習に取り組むため、合唱曲のCD音源を全曲リッキングしてロイロノートの共有ノートに入れました。ところが1年生で使用する曲の1つの音源に音の重なる部分があるから、なんとかして直して欲しいと頼まれました。CDの音源自体は異常はないけれども幾つかのトラックを結合すると音が重なるようでした。
次善策としてYouTube音源を使うことにしました。画面録画して音声だけを抽出して前後に入ってしまう余分な音をトリミングすることにしました。オンラインサービスで行うより私のスマホで作業した方が手軽で確実にロイロノートに保存できます。この作業を見ていたのは音源のおかしい曲を使うクラスを指導している定年した非常勤講師の先生で、大いに驚いて感心してくれました。
「すごい。先生のスマホは素晴らしい。」
このやりとりは4階の図書準備室兼第二職員室でした。
「ありがとうございました。勤務時間過ぎてしまってごめんなさい。」
何にもまして、人に感謝されるのはありがたいことです。
勤務終了の報告を管理職にして、出勤簿に押印をしてもらうために、2階職員室に降りて行きました。若い音楽主任が職員室にいたので共有ノートの一部を変更した報告をしました。すると、
「その方法。私にも教えてください。」
喜んで画像から音声だけを抽出する無料アプリを紹介しました。彼女はすぐに試しました。途中、手が止まった時に操作方法を伝授しました。簡単にマスターしたようでした。
若い頃、自分の知識とスキルは素晴らしいと自惚れていました。70歳を超えてICT支援員を勤めているうちに、素晴らしくもなければ大したものでもない、誰でも簡単に理解できることを、ただ、先回りして習得して悦にいっていたのだと思うようになりました。それでも、それが若い先生たちの役に立つのなら喜ばしい限りです。
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