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中間貯蔵施設

 仕事がないと作文の題材は新聞に求めることになる。私の作文は思ったこと考えたことを人に伝える手段としての作文である。
 山口県上関町をGoogle検索すると綺麗な写真が出てくる。風光明媚な瀬戸内海に面した人口3000人に満たない町らしい。Wikipediaで有名人を調べると原田大二郎の出身地であり、橋下徹の母親の出身地とある。民宿サイトが目につくことから、大きな工場はなく、漁業と農業と観光の町らしい。
 原発から出た使用済み核燃料は再処理工場で再利用できるウランとプルトニウムを取り出し、MOX燃料に加工して原発で再利用する。しかし、再処理工場ができていない。だから、中間貯蔵施設が必要になる。なお、知らなかったが、中間貯蔵施設でも使用済み核燃料は常に冷やす必要があり、外気で冷却するらしい。何やら恐ろしい気もする。また、MOX燃料加工工場も調べたが、まだ完成していないらしい。
 福島原発事故の処理は進んでいない。そして、核燃料をリサイクルする工場すらできていない。それなのに原発は再稼働する。だから再処理工場ができるまで使用済み燃料を貯蔵しておく施設が必要になる。
 その貯蔵施設建設に向けた調査を山口県上関町の町長が受け入れを表明してニュースになった。昨夜のニュースを見た妻が教えてくれた。
「町議会議員は10名で、受け入れ賛成が7名、反対が3名だそうよ。」
「半数以上の議員が賛成しているのは潜在して見えないけれども住民の賛成がある。だから、町長が受け入れを表明したんだろうね。」
 町長と議員達の苦悩は容易に想像ができる。役場職員や教職員の給料を払ったり、上下水道の管理や道路や街路樹の整備などの住民サービスには予算が必要になる。町民の生活を考えれば貯蔵施設建設で国や電力会社からおりてくる補助金が欲しくなる。反対する人々はいるが、きっと賛成する住民も多いだろうことは容易に想像できる。
 原発関連施設建設のために自治体に与える補助金も、原発事故を処理するための予算も、被害を受けた住民への補償金の金額も、原発で生み出す電気の単価には計上しない。
「何の資料かというと、教科書である。」
中学校技術科の教科書では1kwhの単価を10円程度と格段に安く設定している。教師はその資料を示して再生エネルギーと原発と火力発電を比較させる学習をする。教科書の記載を批判した報道を見たことがない。私は個人のブログとYouTubeで取り上げた。そうしたら、教科書のスクリーンショットは著作権法違反だと以前勤めていたICT支援員の派遣会社から厳重注意を受けたことがあったので、1kwhあたりの単価をテキストで紹介する。

原子力発電 10.1円
風力発電 21.6円
太陽光発電 29.4円
火力発電 13.7円

技術科の教師がどのように教えるのかは、甚だ不安である。

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