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ラーメン屋

 テレビのバラエティ番組を見ていたらラーメンが食べたくなった。コロナが始まって以来、ラーメン店に行ったことがない。自分自身が感染したコロナから回復した気楽さも加わった。我が家の近くにあるラーメン屋は5分で行ける来来亭。奥様も疲れているので「今日はラーメンでも食べに行こう」と言ったら、すぐさまOKが出た。
 6時少し過ぎて店に行って、はたと、困った。注文がタブレット。こんな場合の担当はICT支援員である私だが、奥様が注文したい小盛りラーメンのメニューが見つからない。仕方ないので「係りを呼ぶボタン」を押した。やがて高校生のアルバイトのお兄ちゃんが来て親切に教えてもらい、無事に注文できました。
 注文したラーメンと生ビールが来る間にタブレットを触って注文システムを確認したので、次からは大丈夫のような気がします。
「まぁ、でも、今度この店に来るのは何年後でしょうか?」
今度、来たら、また、注文システムが変わっているかもしれない。
「いや。ひょっとすると、一生、来ないかもしれない。」
コロナで味覚障害の後遺症に陥ったわけではないけれど、加齢のせいで好みは薄味に随分変わってきている。
「味が濃かったね。」
食後の二人共通の感想だった。老人がラーメン屋であまり見かけないのは注文システムに馴染みがないためではなく薄味に馴染むからである。
 若い諸君も我々の歳になれば判ると思う。

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