ときめきってなんだっけという話
交際約2年の恋人がいる。
付き合った当初から、恋人はいつも穏やかなやさしさを忘れない人だった。いつだって私のことを、褒め、かわいがり、大切にしてくれた。
そんな彼との日々にときめきって最近あったっけ、とふと思った。
私の写真をみつめる健やかな笑顔。私の作ったご飯をおいしいともりもりと頬張るお口。すやすやと健やかに眠る寝顔。愛くるしい彼の断片たちを、脳裏に浮かべることはできる。だけど、ドキドキした瞬間が思い出せない。
中学生の頃、私はドキドキしなくなることに、恐れを抱いていた。その当時、人気のあった情報系バラエティー(?)番組で、心理学者の女性がこんなことを言っていた。
「恋愛の賞味期限は3年なんです」
え、、、待ってよ、I君と付き合って2か月だから、あと2年10か月しか私のこと好きでいてくれないの、、、絶望だ。(3年を待たずして、この2か月後に別れて大号泣することとなるのはまた別の話)
そんな絶望の淵に立たされた私だが、23歳になった私はもう恋の賞味期限に怯えることはない。それは、たぶん今の恋人との関係が”愛”だからだと思う。
彼への感情をひとことで表すと、愛してるとか、愛おしいとかそういう言葉に帰結する。
彼と手を繋いでも、中学生の頃のように心臓が張り裂けそうになって夜眠れなくなったりはしない。優しい愛の言葉を囁かれても、一字一句メモに書き残して見返したりもしない。だけど、彼と私との間には、たしかに愛があって、おたがいの存在を尊重しながら一緒に生きていると思う。
ときめかなくても、私は愛で満ちている。恋の賞味期限は過ぎてしまったけど、この愛はまだ食べれる。