ペットショップで犬ではなくお姉さん見てた話
突然だが、私はペットショップが大好きだ。休日の恋人とのコーヒータイムの後、近所のペットショップを通りかかると、必ず「ワンちゃん見ていこうよ~」と誘うくらいには好きだ。
近所のペットショップには、たくさん店員さんがいるのだけど、初めて来店したときに、猫ちゃんを触らせてくれたお姉さんは、膨大な知識と動物たちへの愛情はもちろんのこと、ペット不可の物件に住んでいる私たちにも嫌な顔をせずに接客してくれる優しさを持ち合わせており、そして何よりもめちゃくちゃ顔がかわいかった……
韓国っぽいメイクにこなれた感じに巻かれた前髪とおくれ毛、そして猫ちゃんに向けられた愛情たっぷりの視線も相まって、兎に角お姉さんが魅力的だった。
しかし、そんなお姉さんが突然姿を消したのだ。そもそも二カ月に1回行くか行かないかの頻度であったし、失礼ながら動物への愛情につけ込んだ業界のような(薄給な)イメージだったため、退職しまったのかと少し残念に思っていた。
そんな矢先、自宅から少し離れたショッピングモールのペットショップに訪れたとき、私はいつものようにワンちゃんの愛らしい姿を一目収めようと思っていたら…
なんとお姉さんがいるではないか!!!!!
恋人もお姉さんに気づき、二人で興奮しながら、犬でも猫でもなくお姉さんを見る。お姉さんがダックスフンドを抱えて、頭やらお腹やらを優しく撫でている。そして、ガラスの箱から出て、こちらへ歩みを進めてきたのだ。
「触りますか~?」
(久しぶりのお姉さんも相変わらずかわいい…)
「あ、お願いします!」
膝の上にちょっこりと座る、少し内気な性格のダックスフンドの可愛さもさることながら、もはや私はお姉さんとの再会に喜びを隠せなかった。
「あの、前〇〇にいましたよね?」
こんな質問、私が同性だからまだしも、昨今のコンプラ的にはギリアウトな気もする。
「はい~いましたよ。」
不思議そうな怪訝そうな顔を一瞬浮かべたものの、答えてくれたお姉さんに、気持ち悪さを与えないようになるべく平常心を心がけて、
「お姉さんかわいいな~って思ってたんですけど、いなくなっちゃったから。でも今日△△にいたから、お姉さんばっかり見ちゃってました~」
と伝える。すると、
「あ、そうなんですね~。私ここに半年前に異動になったんですよ。ありがとうございます。」とにっこり笑いかけてくれた。これが営業スマイルでも、私の胸にはしっかり笑顔が刻まれました。ありがとうお姉さん。
だが、私はこんなときでも見逃さなかった。膝元にかがんで、私たちより下の目線から接客してくれていたお姉さんの耳が真っ赤になっていることを……!!
な、なんと奥ゆかしい、カア~~この人かわいすぎる……
ワンちゃんそっちのけで、お姉さんの可愛さを堪能したところで、
正気に戻りワンちゃんとの戯れを存分に楽しんだ。
帰り際、もう一度お姉さんを目に焼き付けて、また来るからね。と心に誓った。
※犬を飼いなさいな、本当に。