一本橋から階段に変化するところをゆっくり回転しながら降る『連理からくり人形MK4』
1. はじめに
江戸時代のからくり装置である「連理返り人形」 を MK4まで開発し続けた。
以前にもお伝えしましたが、さらにからくりを知ってもらうために再度資料などお伝えします。
連理返り人形に関する資料は、江戸時代に書かれた古書である 「機巧図彙」 である。 この書物の復刻版は、江戸時代科学古典叢書3 「璣訓蒙鏡草三巻 機巧図彙三巻」 として、 恒和出版から出版されている。
何段踏板があっても変わることがない。 たいへん知的好奇心を擽られる。生きているようにも見える。さながら人間のごとしである。
この画像のからくり装置の面白い動作は2つの人形が共に握っている引合筒 (角柱形の筒のこと) 内に封入されているの動きによるものである。 実は単純に引合筒内を鉄球が移動することではなく、装置全体に渡って、動的な流体についての科学(流体静力学)の視点がみうけられ巧妙な工夫と優れた技術が凝らされているのである。
引合筒は単なる吹き抜けの筒ではないので、引合筒の構造に金属玉の流速を調整中であるが、 引合筒の中央部分には金属玉の流れ調整機構を設定すれば尚秀逸な動きが展開できると考えています。
金属玉が多く流れれば、 回転速度の調整ができる。もう1つの課題は、階段の踏板と蹴り上げの斜辺長の長さと角度である。 人形の上半長・下半身長・人形の全身長・人形間隔長のよって、引合筒等の寸法を合わせればよいのである。
従って、 本からくり装置の寸法の決め方には、階段の踏板の寸法を先に決めるか、 人形と引合筒の寸法を先に決めるかの2通りの方法があることがわかる。しかし、金属玉の流動性と摩擦係数と重量によっで角度が決まるなど、最適な金属玉の流れを安定化しなければならない。
2. 設計及び製作
連理返り人形に関する資料の連続図から、 人形が引合筒を両腕に掲げて、 上方に位置する人形が下方の人形の頭を飛び越し、下の踏み板に立ち、交互に踏み板を下りていく様子が理解できる。
人形の大きさ、 引合筒の長さ、一本橋の着地間隔のには相関性があるため、 各部分の寸法を適当に設計し、 後から組み合わせればとは行かない。
人形は両腕両腕で引合筒を支えている。 この両腕を回転中心として引合筒が回転する。 従って、 人形の着地を何段でも滑らかに下り続けるためには、 前後の人形が支えている引合筒の2箇所の位置間隔(これを人形間隔長と呼ぶ) は人形の着地の1段分の斜辺長程度としなければならない。
人形間隔長が長すぎると人形の着地位置を下っていくうちに、 人形は慣性により次第に着地位置の先端に出過ぎるようになり、 人形は着地の時、着地位置を踏み外してしまう。 逆に、人形間隔長が短すぎると頭を通り越した上側の人形が下の人形と同じ踏板に当たり始めるようになる。
連理からくり技術的要件と考察
連理からくり人形を作るには、踏板を3Dプリンター準備し、引合筒と人形を作ります。
引合筒は内直径約12mm(113.04平方ミリメートル)紙のストローから金属玉が流れ易い角筒タイプの新しい形を考案した。内直5x14mm(70平方ミリメートル)、全長167.5mm、2本の中心間隔約68mm、人形間隔長70.00mmに設定し、重さは金属玉の引合筒+連理で約36.8gです。
人形は軽さが大切なので、不要な部分を削り取り、3Dプリンターで制作。和紙や折り紙で着物風を着せた場合は、動作に影響がないように調整しました。
組み立て後、引合筒に金属玉を挿入して動作を調整しました。挿入金属玉は引合筒1本当たり18.5.0gの範囲が適切で、37g前後が最適であった。
モデルを検討中で金属玉の調整し重くしたものもある。人形の重心が回転中心の腕より下にあり、引合筒の動きによって人形の足先が前方に振られてしまうために動きのバランスが崩れて落下するケースなどもあった。
この問題を解決するために、人形の重心調整用のおもりを上部に取り付けることで解決できました。調整用おもりの量と取り付け高さは試行錯誤が必要と思います。
面白でしょうか?。知的好奇心が動きましたか。
お子さんに見せてあげてください。
動力は金属玉だけの自由落下のエネルギーのみ可動しています。
SDGsの考えで、紙とPLA(3Dプリンタ)と回転軸の素材は1.2mm金属線の構成で造りました。
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