津守式乳幼児精神発達診断検査を試す
エビデンスを求めて三千里、着太郎 (@192study) です。
息子が2歳(24ヶ月)の時点で言葉の遅れがあったため、 #言語発達遅滞 に関する情報を収集した過程で #発達検査 についても調べました。
国内の古典的な発達検査の一つに、いわゆる「津守式」と言われる「乳幼児精神発達診断法」があります。
乳幼児の日常生活行動を観察している主な養育者に、主に家庭生活で示す行動について質問に答えてもらうことで、「運動」「探索」「社会」「生活習慣」「言語」の5つの領域について診断します。
書籍
津守式乳幼児精神発達診断検査は『増補 乳幼児精神発達診断法―0才~3才まで』と『乳幼児精神発達診断法―3才~7才まで』の2冊で構成されており、それぞれ単体で利用可能です。質問紙も別に3種類が刊行されていますが、個人で実施する分には書籍のみで問題なさそうです。
初版が1961年と古いため文体がやや古めかしい所もありますが、平易な表現で書かれているので専門的な知識がなくても問題なく読めるかと思います。
『増補 乳幼児精神発達診断法―0才~3才まで』2,412円
検査方法
面接者が主な養育者に質問する形で行います。家庭で実施する場合は単純に質問事項に回答していけばよいでしょう。
質問項目は○、△、×で評価するようになっており、それぞれ1点、0.5点、0点で計算します。
質問項目は各領域毎に「発達月齢・領域内通し番号」の数字があてがわれています。
例えば「2.探索・操作」領域の「24・53」という項目番号は、探索領域の53番目の質問項目で24カ月相当の内容であることを意味します。
実際の進め方としては、該当月齢の1つ前の発達月齢の質問から始め、同一月齢内の質問群に通過しない(できない)項目がある場合は、さらに前の発達月齢の質問群に戻って回答します。
例えば生活月齢が25ヶ月(2歳1カ月)の場合、各領域の24の前の18の質問群から開始し、18の質問群にできない項目がある場合はさらにその前の15の質問群も回答します。
また、少なくとも各領域の30の質問群までは回答します。
2才3ヶ月児での実施
実際に2才3.5ヶ月時点での息子について、時折妻にも確認しながら質問に○△×で答えていき、点数を計算してみました。
質問内容は時代を感じさせるものもあり、文字通りの解釈だと微妙な表現も散見されました。また、各質問の判定基準について解説が記載されていますが、数問判断に迷うものもありました。
結果は以下の通りで、生活年齢に比べて発達年齢は1ヶ月ほどの遅れの診断になりました。
1. 運動 63.5
2. 探索・操作 54.5
3. 社会 42
4. 食事・排泄・生活習慣 43
5. 理解・言語 25
合計点 228
生活年齢 2才3.5ヶ月
発達年齢 2才2.5ヶ月
言葉に遅れがある影響で「5.理解・言語」の部分で点が伸びませんでしたが、他の部分で発達が早い面があったので生活年齢に近い結果になったのかと思います。
発達輪郭表
発達輪郭表で見ると、24カ月より下回っている「排泄」「言語」が遅れていることが、24カ月を上回っている「おとなとの相互交渉」「生活習慣」が進んでいることが視覚的に分かります。