実話恋愛話〜牛女!



これはまだmixiが流行ってた頃の実際の話である。
そのSNSサイトから
かなちという22歳のアイドルみたいな写真の女性にアタックしていたが、かなちは、私に紹介したい人がいる?是非ともデートしてほしい相手が友人にいると、その方のメアドを送信してきた。

(なんや かなち本人は 私と会ってくれんのかい?)そう思ってました。

私は、かなちと対戦したいのに、これまた噛ませ犬みたいなキャラでも紹介してくるのかな?と その かなちの友人について 期待せずにおいたものだ。

かなちから かなちの友人のメールアドレスを聞いたので その友人にメールしてみた。(はじめましてかなちさんの紹介ですが 富田と申します。趣味はカフェ巡りや自然スポット巡り また、プロのお笑い芸人目指してます。よろしくお願いします。)

すぐに返信があり、(メールありがとう。私は倉敷に住んでいる事務員の牛女「モーギャル」です。30歳で同じくカフェ巡りや自然スポットに行くのが好きです。でも最近 行く相手もいないし、富田さんが都合が良ければいち早くデートしてほしいと願ってます。大まかですが、かなちから あなたの印象とか 聞いてます。)

牛女「モーギャル」? ネーミングに違和感がありすぎるが、メール内容からは 怖いくらい積極的すぎる内容で、私の方が驚いた。(牛だけにモー レツにアタックしてくる方なのか笑)

しかし、この手のメールから出会った過去の女性達は、たいがい噛ませ犬っぽい方々が多かったから 全然 期待せずに彼女と会う日を とりあえず楽しみにしていた自分。

自分の仕事が休みの日と牛女の休みが一致しないから 自分の仕事が夕方からの時に会う事にした。(その日の午後過ぎくらいまでなら大丈夫だろうと思ってた)

いわば、夕方17時から仕事だから週末土曜日に朝8時から夕方15時くらいまで会う約束をした。
朝8時からとか、本当に私のわがままだけど、牛女は快く応じてくれて、なおかつ積極的すぎるくらいメール交換をしていた。

月曜日にメール交換して本当に週末土曜日までが楽しみというわけはないが、すごく積極的にメールの返信があり、いかにも私を評価している感じのメールが多いから牛女は、 私に良い印象を常に与えていた。
(こういう積極的な子は なんか楽しいし
会ってまもなく やらしい関係に繋がりやすいんちゃうんか笑)
そして土曜日を迎えた。


「牛女の写真とか結局見れなかったけど、めちゃ積極的なとこは、ポイント高いなあ。まあ私は、他にも気になって 会ってる人がいるけど、牛女が印象良ければ、牛女と交際可能になるかもな。」

そう自問自答して待ち合わせのイオン倉敷に8時5分前に到着した。

その日は、朝から曇り空で 今にも雨が振りそうな天気で、夏も近いのに肌寒く、なにかしら嫌な予感を感じていた。

しかし、牛女の姿を見た途端、すべての疑惑と想像は、吹っ飛んだ。
まるで、牛女だけに ロングホーンで体当たりして
私は、空中に舞ってしまい
その衝撃で、変な記憶が 吹っ飛んだという感じだ。


「おはよう。 おや?富田さんメガネ?写真とは違うね。でもイケメンやなあ。今日は よろしく。いや、今日だけでなく これからずっと…!?まぁそうなってほしいから 今日は、心から私を笑顔にさせてよ。」

赤がかった茶色ヘアーとCECIL McBEEのジャケットと
中途半端なメイクだが、くっきりした目鼻立ちに、自分の想像を良い意味で裏切られて 一気にドキドキモードになる私! 「私が岡山1面白いお笑い芸人です。よろしく。」
(当時はお笑い芸人になるために必死で頑張ってた自分)

「私?一人称が 私だなんて なんか変だね?まいっか…で、メールにもあったように、ログハウスのワッフルが美味しい店、本当に この近くにあるん?」

「倉敷ICから吉備路に行く途中にあるよ。モーニングもあるけど バリエーション豊かなワッフルが好評だよ。」

私自身も そのログハウスのカフェ「茶蘭互」を すごく気にいってるから自信を持って案内した。
行く道中から
様々な会話が盛り上がり、店内に着いてからも、過去に行った観光地やグルメや温泉スポットが牛女と一致して 笑いと共感する喜びがたえなかった。 

心から楽しいと思っていました。 

それに付け加え、オルゴールのBGMや 窓から見る大きな池や 店内のワッフルやコーヒーの甘い香りは まさに至福の時間だった。

牛女は、30歳、見た目は平均並みか 若干良いし、仕事も正社員だし、なかなかのグラマラスだし、趣味も一致するから、今日は、仕事を休んででも牛女と一緒にいたいし、次の日の とある方との試合を延期してでも落としたいという気持ちで いっぱいだった。

ワッフルやコーヒーを食べ、しばらく話が盛り上がって
次に行くスポットは、倉敷美観地区に決まった。

白壁の街並みや川の中で 優雅に泳ぐ鯉や白鳥が
印象的であり、様々な民芸雑貨屋やビーズアクセサリーや猫屋敷という猫グッズ専門店なども行った。
そして、当時、私の行きつけのパワーストーンの店に行った。アメジストの原石や 龍や豚やフクロウをデザインしたパワーストーン雑貨が多数揃っていた。

「富田さん!すごく良い店 知ってるね。私ね‥いつも恋愛しようとしたら、あと一歩でダメになるのよね。だから オニキス入りのブレスレットを店員さんに作ってもらうことになったんだ。しばし店内見ながら待っててね。」

牛女が恋愛しようとしたら、あと一歩でダメになる…。

このフレーズに注意を払わないから
その後 起こる悲劇について直感力を働かす事が出来なかった私に、後悔の気持ちが今もある!

15分後…
「水晶やローズクォーツも付いたオニキスのブレスレット完成したよ。これで 私は、男を いつものように ぶっ飛ばさず住むよ。」
牛女は、手首のブレスレットを指差しながら、私を見つめた。
「男をぶっ飛ばす?えっ?」
「いやいや なんでもないよ。 あっ こんな時間だよ。仕事間に合う?」

時計を見たら14時半だった。
仕事に間に合わせるために、すぐに美観地区から イオン倉敷に向かって車を走らせていた。

「私の理想のパワーストーンが、こんな安値で買えるし、ログハウスのおしゃれな喫茶店にも行けたし、本当はね、私はもっと 富田さんと一緒にいたいの。」

「またまたまた~ うまいこと言って 私を持ち上げといて落とすんじゃないかな?」
私は、うまいこと持ち上げられ
手のひら返したように落とされた恋愛話が多数あるんで
牛女に、疑惑な感謝をストレートに伝えた。

「本当だよ。パワーストーンの店員さんに お付き合いしたらいいのに… お互い 気 ? 波動が共鳴しているって言われたんだ。」

「えっ?まじっすか?」
私は、驚きと感動と 長かった恋愛GPに終止符が ようやくうてるんだと安堵感で満たされていた。

もうじきイオン倉敷に着く左折しなければ いけない交差点にさしかかった頃、横断歩道を自転車が渡りたそうにしていた。

常に不満がありイライラしている私なら あの距離なら
私が 素早く左折するはずだったが、いかんせん心穏やかだっただけに、あえて余裕を持って、横断歩道の向こうの自転車を通すために車を停止して待っていた…

しかし そこで、私と牛女の気持ちを
地球から大気圏を越えて宇宙まで吹き飛ばされる出来事が 起こった!

ガチャーン!

なんと後ろから、車に追突されたのだ。

20万K以上乗ったmyカーが
おしゃかになってしまったのだ。

免許取り立ての若い女性二人が追突してきたわけだ

「いいよ いいよ 帰っていいよ。保険でなんとかなるから」 と ぶつかっておいて態度が悪い若い二人に、そう声かけた私。
しかし 牛女は そこで 意見を発してきた。

「ちゃんと警察に届けよう! そして そこの二人組さん!一緒に警察署に行くよ。あんたらが悪いんだからね。」

追突されて
オロオロしている私に、ひたすらフォローする形で
追突事故の様子や現場検証の証言を、うまく伝える牛女


私は、社会的な面で牛女より遥かに劣るということが露呈された。

笑顔にするどころか、腹立たしい表情を露わにしながら、牛女は、イオン倉敷駐車場で、いちよう手をふりながら私を
見送ってくれた。
車は後部は ガタガタだが
走行には問題ない。
しかし、私の車は、修理代を相手に負担させるより、ダイハツミラの中古を購入して、私のミニカは、処分という形に父親がとってしまった。 
これにより
月々、親に車の購入費用を返さないといけない義務が生まれた。
もちろん、仕事に行くモチベーションも 下がりまくり、
その後、牛女は、私が正社員じゃないとか、お笑い芸人として 知名度も低いからとか あえて事故については、触れないような形で 私から去って行った。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?