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異次元その211◉偶然を活用するという選択

瀬戸熊プロが山井プロからアガった手でこういうのがあった。

頭が六でカン4待ち東暗刻ともひとつ暗刻があるリーチダブ東テンパネだ。

この手を序盤。確か4巡目くらいでリーチして上家の金プロが1を通して自分で7を引いてきて下家の山井プロが迂回ぎみに4を切ったのだ。

これ、役ありでカンチャンだからリャンメン変化を待つなりシャンポンでツモリ三暗刻にするなりしたいとこだと思うけどよくよく考えたらリーチも面白い。
私はこれを見て、待ちを選択しないという面白さがあると思った。

たまたま貰った偶然の形をそのまま採用する。それはどこにも意思というヒントがない待ちということ。待ちを作ろうとすればそこにはどうしてもその跡が残される。それならば、意思を持たない部分で待つのも一興である。序盤でありながら捻りを加えずそのまま採用した待ちが愚形で高打点とは山井プロもクラっときただろう。
読んでくる相手だと良形変化をしてからでは今度は待ちが止められる懸念があってリーチがかけにくくなる時がある。そんなことになるなら愚形の時にそのまま採用。
相手の鋭さに対応して、あえて単純な攻めをするのも時には面白い方法と言えるだろう。

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