みかん

映画や小説の感想が多いですが、時々心の中を気ままに綴ります。いいねやフォロー喜びます

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最近の記事

君が世界のはじまり

「君が世界のはじまりだった」 誰かにそう言われる人生でありたいと思った。 気が狂いそうになるこの世界で、 もがいて苦しみながら、 誰もが誰かに憧れて、 誰もが誰かを好きになったり、 その恋が叶わなかったりする。 フジノに言った「ガンバレ」は 自分に向けて言った「ガンバレ」でもあるだろう。 いつかショッピングモールで過ごしたあの時間や学校で過ごした何気ない時間が、 とてつもなく素敵で貴重な時間だったと気づくとき、 あの6人は何をしているのだろうか。 縁と琴子の会話が好きだ

    • Mother

      子どもは親を選べない その言葉の意味がわかる映画だった。 「何故しゅうへいを救ってあげないのだろう」そう思う私も、現実では見て見ぬふりをしてしまう大人の1人になるのだろうか。 無責任に子どもを産み、所有物のように扱う母親に、 「自分には母親しか居ない」という感情から 「母親には自分しか居ない」という感情へ移り変わっていく様は胸が痛くなった。 その一方で、 「お前には私しか要らない」というようなあまりに身勝手な母親にどんな感情を向けるべきか分からなかった。 成長して母親よ

      • 深夜のカップラーメン

        聴きなれた音楽と独りのわたし。 あんなに憧れだった深夜のカップラーメンも、 絶対食べると決めていたジャンクフードも、 何故か気が乗らなくて。 何を食べても何か足りなくて。 独りが寂しいと初めて感じる。 失ってから気づくものがあると言うけれど、 失ってからどうすることが正解なのだろう。 独りの過ごし方だけ上達する日々の どこを変えるべきなのかもわからず 今日をただやり過ごす いつか、いつかこの日々が愛しく、懐かしいと思えますように

        • 誰も知らない

          あまりに当たり前に訪れる残酷さにどんな言葉がふさわしいのか分からなかった。 一見、愛情たっぷり育てられているようにも見えるその兄弟達は戸籍がなかった。 当たり前に母親が大好きで、当たり前に家から出てはいけなくて、当たり前に学校にも行けない。それだけでも残酷だと思った。 母親の身勝手さは言うまでもなく、兄弟たちのそれぞれの父親の身勝手さにも驚いた。子どもは親を選べないとよく言うけれど、その通りだと思った。 長男が、友達ができて、家に連れてきてゲームをしたりするそんな日常が、辛

          放課後ソーダ日和

          Twitterで見かけたタイトルに惹かれて YouTubeで映画をみた。 ファストフード カラオケ ファミレス プリクラ 手軽にワンコインで手に入る放課後 私たちは時間を記録して 発信して いいねをの数を気にして 気づいたらあっという間に日々は消費されていって 本当にこれでいいの?って 自問自答なんかしながら またワンコインで手に入る幸せを求めてしまう みんなと繋がっていたくて 私だけ寂しいなんて嫌だから 普通なんて嫌なのに 普通じゃないといけないって誰かが言ってたから み

          放課後ソーダ日和

          チワワちゃん

          物語というよりも、世界観や映画から想像される空間に、見とれてしまった。若さと愚かさと美しさが混在していて、そのどれもが画面からこぼれ落ちるようだった。それは、私が絶対にこんな愚かで美しい空間には居られないと思うと同時に、どこかで感じる憧れや嫉妬がそう魅させたのかもしれない。 チワワちゃん、最初から居た訳でも、いつも居る訳でもないのに、どうしてか必ず輪の中心に存在する。 可愛いと認めざるを得ない無邪気さや無垢さ、そのあどけない笑顔に嫉妬しない人はいるのだろうか。みきが、チワワ

          チワワちゃん

          夢を見た。昔の夢を。 夢の中で私は泣いていた。 きっと、あれは高校の部活だろうか。 顧問の先生に怒られて、 それが悲しかったのか、悔しかったのか、惨めだったのか、感情はわからない。 でも、私は泣いていた。体育館の裏で、1人。 慰めにきてくれるチームメイトを振り払って、声をあげていた。 「こんな夢を見て、目覚めが悪かったんだ。」 親に何気なく話すと、 「怒られて泣いているところ見たことないのに、ほんとはあの頃泣きたかったんじゃない?」 確かにあの頃は、強い自分で居ること

          「ひとりでも生きていける二人がそれでも一緒にいるのが夫婦だと思う」

          「ひとりでも生きていける二人がそれでも一緒にいるのが夫婦だと思う」 これはティファニーの広告の言葉である。 この言葉をみて、広告業界に入って良かった。もしくは広告業界に入るきっかけになったという方を見た。 この言葉をみて、この世界は厳しい世界だと嘆く人を見た。 当たり前だけど、価値観はそれぞれで、どちらの価値観も間違ってはいなくて、だからこそ難しい。 ひとりで生きていけない人は夫婦になる権利はないのか と聞かれたら、そうではないと思う。2人が支え合って、一人前になれるの

          「ひとりでも生きていける二人がそれでも一緒にいるのが夫婦だと思う」

          もういちど生まれる

          「大学ってそういうところだ。無責任を背負って、自由を装っている。」 わたしはもうすぐ大学を卒業する。この本のこの言葉が自分の中の大学生活を表しているようで、ものすごく胸に響いた。 まだ大人では無いことを言い訳に、人に多少の迷惑をかけても、自分の利益だけを考えても、「学生であるから」許される。そんな当たり前で屁理屈なことを、私達は知っている。自分達の特権とさえ思っている。そして、時間や時間を使って得たお金を自由に使えるから、私はこんなに自由で、楽しくて、充実していることをそれぞ

          もういちど生まれる

          もしも

          もしも私より可愛いあの子だったら もしもスタイルがいいあの子だったら もしも彼が好きなタイプのあの子だったら もしもスカウトされちゃうあの子だったら もしもなんでも出来るあの子だったら... そんなことを考えるとことがよくある。自分じゃない誰かになりたくて。でもなれなくて。 そんな時に思う。 私は私じゃなかったら何をするのだろう。 私はもしあの子になれたら私じゃ無くなるのだろうか。 そんなことを考えていても、結局私は私でしかない訳で、あの子にもなれないから、きっとずっと答え

          劇場

          どうしようもない日常の中に愛が溢れている、優しくて切ない作品だった。 永くんと沙希ちゃんの間に必要なものは、何だったのだろう。少しのスパイスを加えるだけで崩れてしまう2人の日常は、何も加えないことが1番だったのだろうか。いや、それとも永くんが結果を得ることが2人の幸せに繋がったのだろうか。 永くんは、どーしようもなくて、才能も無かったのかも知れないけれど、それでも沙希ちゃんに信じて貰えた、沙希ちゃんにとっての自慢だったことが、どれほど永くんを救ったのだろう。あと少し、永くんが

          青の帰り道

          自然と涙が出る。そんな映画だった。 私がこの映画の中の7人のような居場所に憧れるように、この7人もそれぞれ憧れの場所があって、届かなくてもがいている。どれだけ理想と現実がかけ離れても、それでもやっぱり生きていくしかないんだ。 カナはきっと多分誰もが憧れるキラキラした女の子で、夢や希望を両手いっぱいに抱えて、そんな夢や希望に負けないぐらいの努力も抱えて、頑張ってきたのだろう。でもそんな現実とは裏腹に、きっと誰よりも不安を抱えていたのだろう。ひとりきりで。 キリは本当は誰より

          青の帰り道

          佐藤家の朝食、鈴木家の夕食

          個人的に山﨑賢人さんが好きなので、軽〜い気持ちで見たけれど、6年前のお話なのに凄く現代的な話だった。いつか日本にも佐藤家や鈴木家のような家族の形が当たり前のように受け入れられるようになるのだろうか。 今でも日本は、いや世界のことは分からないけど、少なくとも日本では、多数派が力を持っていて、変わっていたらいじめられたり、好奇の目を向けられたりする。それを仕方ないで済ませてはいけないと思う。「普通」であることを強要してきたくせに、就活なんかでは「人より秀でたものを教えて下さい」

          佐藤家の朝食、鈴木家の夕食

          さよならくちびる

          「どうせ止まってしまうこの心臓に水を与えて時に走らせ動かしていく私達」 この歌詞が胸に残っている。 どうせ人は死んでしまうし、何をやったって結果は変わらない。それでも、一生懸命に生きて、生きて、生きがいを探して、時に人を愛して、愛されて、そんな風に生きていく私達はどこか奇妙で、滑稽で、美しいとさえ思える。大失恋をして泣きじゃくって今にも死んでしまいそうだったあの子は今になってはケロッと新しい彼氏と幸せそうだし、なんだかだるそうで楽しくなさそうだったあの子はSNS上で満面の

          さよならくちびる

          コンビニ人間

          私は「普通」だから、恵子の気持ちはこれっぽっちも理解出来ない。でも、「普通」であることに嫌気がさすことは数え切れない程ある。「普通」が嫌になるなんて、なんて贅沢な悩みなんだ!縄文時代から〜〜って白羽さんに怒られるだろうか。 私にとっての「普通」は、誰かにとって普通ではないのかも知れないけど、誰かにとっての「普通」も私にとって普通ではないだろう。そんな当たり前を知っているはずなのに、恵子がいざ目の前に現れるときっと私は思うんだろう、「その歳でアルバイト?」「就職も結婚もしてな

          コンビニ人間

          そしてバトンは渡された

          本屋大賞という言葉に惹かれてページをめくった。一度ページをめくるとすらすらと、退屈さや疲れを感じさせず読むことが出来る文章は、それだけですごいなあといつも思う。 個人的には、水戸さん(実の父)が可哀想で不憫だと思ってしまうのだけれど、それでも梨花さんを悪い人だと思えないこのお話はやっぱり良くできていると思う。親になるって、強くなることなんだなと思うと同時に、私には親になる強さはあるのか不安になってしまった。愛の形はそれぞれで、親子の形もそれぞれで、それでもたっぷりの愛情を注

          そしてバトンは渡された