近況と神の視点の話
とうとう、今の仕事もクビになった。一人暮らしを始めてから三ヶ月以上同じところで働けたことがない私としては、なかなか頑張ったのではないだろうか。季節も冬、しかも今年は生まれて初めてくらいの寒さも経験したし。
サイコパス先輩に「明日も来るんですか〜?来ても仕事ないと思いますけど〜笑」と言われたり、後ろの席のおじさんキラー後輩のご機嫌を取るべく隣の部署の人々が毎日褒めて褒め殺してるのが嫌でも耳に入ったり、死ぬ気で出勤してもすることが何もなく、「何かないですか」と聞いては正社員の方々の機嫌を損ねるだけの仕事、本当にキツかったな〜。
いや、来月半ばで契約終了なのでまだ終わってないのだが……。
しかし、なんというか、上に書いたような分かりやすいモンスター以外にも職場全体が腐りに腐っていた。ホウレンソウしたら罰金でもあるんですか?と聞きたくなるくらいホウレンソウをしない。そのせいで起こるトラブルを悪いことと思わず、面白〜い!みたいにキャッキャと盛り上がる(職場は平均年齢50くらいかつ9割女性)。私が何かホウレンソウしようとすると怒られて遮られる。で、あとで責められる。私の場合はもちろん、面白〜い!では済まない。派遣だから。
誰かがミスをすると、「平気平気!私だって〜」とまたキャッキャする。しかし私がミスをすると「だから派遣は……」とヒソヒソする。
派遣のした仕事はダブルチェックならぬトリプルチェックが必要になるからあいつに仕事をさせるなと堂々と言われる。そういう色々を「まあ実際派遣だもんなぁ」で済ませた結果がこれだ。
私の人生は大体そうで、「まあ私だから仕方ない」という我慢を重ね、それが限界になった時、人間関係をリセットする。20歳で最初の限界を迎えて以降、ずっとこの流れだ。
でも聞いて欲しい、今回に限っては、完全にただ我慢しただけではない。
きちんと派遣先に「仕事がないと居づらいし、仕事ないのに来るの?って言われると来づらい」ときちんと言った。しかしそこは、もともとちゃんとした職場ならそもそもこんなことになってないんだよなぁ……という顛末だった。しかしこの相談をした次の日から、サイコパス先輩はあからさまに私を避けるようになった。避けるというか、完全に興味をなくしたオーラを漂わせている。それまで、朝礼や廊下などですれ違う時にクソ絡みづらい話をしてきたのが無くなったし、私の席の近くを絶対通らない。あまりにあからさますぎて笑えた。嫌でもサイコパス先輩に仕事の質問をしないといけない時も、それもものすごく簡潔になった。いや、自覚あったんかい。注意されてやめるなら最初からするな。そもそもこの先輩、職場の中でめちゃくちゃ若くて将来有望なはずなのに可愛がられている気配がまるでなく、世間話をする相手もおらず、みんな気づいてるんだなぁとしみじみする日々である。
ともかく、二月に今までにないタイプの体調の崩し方をして以来、ご飯が食べられなくなった。というか、料理ができなくなった。料理の動画を見ることも漫画を読むことすらも苦痛。おかしい、確かに今までも料理したくない周期が来たことはあったけども、もうすぐ1ヶ月というのはさすがに初めてだ。仕事を3回以上当日欠席するのも初めてだ。派遣先から派遣会社にクレームがいき、休むんじゃねえ!と言われ、無理をして出勤を重ねた結果ついに精神がおかしくなった。叫びたい気持ちを抑えながら室内をぐるぐる歩き回るという「いよいよ」な症状に加え、何年ぶりかわからないパニック発作も出た。仕事に行きたくなさすぎて夜布団に入れなくなった。明るくなってから渋々布団に入り、眠剤が残ったまま出勤していた。
そして何より当日欠席という行為があまりに後ろめたがったので、派遣会社に「休まれると困る事情はわかりますがこのままグダグダ続けるよりまとまった休みが欲しい」と言ったところ、営業さんから「わかりました!なるはやで退職にしときました!残りはちゃんと出勤してくださいね!!」とキラキラした背景が脳内に浮び上がるメールが来た。
この営業さん、20代前半のようで「わからないことはできないししません」と堂々と言っちゃうすごい人で、「給料少なくないですか?社会保険合ってますか?」と聞けば「そりゃ休んだ分給料減りますよ!休まないで出勤したら給料増えますよ!」という斜め上の返信をしてきた強者である。勝てるわけがない。
このように、派遣会社も派遣先も終わりだった場合、非正規雇用はただ泣くしかないのである。
というか、「神の視点」について書きたかったのにもう疲れてしまった。ので簡潔に。
私が外に出て人と接する時、1日1回は頭に浮かぶフレーズがある。
「私だから何も言わないけど、これが私じゃなかったらあなたはただじゃ済んでないよ」
というもの。
だが、よーーーーくよく考えれば(考えるまでもなく)その人は生まれてからこれまで、これからもそうやって生きてきたし生きていくのだ。
そういう人たちは、
・人を選んで態度を変えている
・それで痛い目を見ても私ほどダメージを受けない
から、私にどれだけひどいことをしても平気なのだ。
ていうか、そもそも、「ひどいことをされた」と思うこと自体が、他人に期待しすぎ、私みたいなクソが人間扱いしてもらえるという勘違いの賜物なわけで、これを捨てたいと本当に思っているんだけども捨てられない。
こういう認知の歪みは承認欲求から来るものらしい。
私はとにかく目立ちたくない、空気のように生きていきたいと思っていて、それゆえに承認欲求の薄いタイプなのだとずっと思っていた。しかし違った。承認欲求にはさまざまな形があり、それは人によって「名声が欲しい」だったり、私のように、「ひどいことをしないで欲しい」みたいなこじれにこじれた形になることがあるらしい。
そもそも、「私は心が広いから(ひどいことされ慣れてるから)許しますけど〜」って思考がもう、お前は神にでもなったつもりか?なのですよ。毒親に散々ありとあらゆることをされてはいても、それはそれ。
私は口では「世界心が狭い選手権で優勝する自信あります!」と言ってはいるが、実際そうなのだが、そこに1枚何か挟まっていて、心が狭い→って言って心広いです!!!→いや実際狭いんですけど……というめんどくさい思考回路になっている。
かといって、これも一応ひとつの生存術でもあって、他人に対して心が広い外面をしていれば、自分がやっちまった時も邪険にしづらくなるだろう……という計算にもとづいたものなので、そして私は圧倒的に人よりやらかしの頻度が高いので、人のやらかしをいちいち指摘したら自分が終わるので、ここもまた難しいところである。
表向きは「全然気にしてませんよ!大丈夫です!」を保ちつつ、「あぁ〜またキレちゃったなぁ〜私って心狭いから〜(キャピッ)」を上手く処理できるようにならないといけない。
そう、具体的な課題までわかっているのだ。
そしてこういうのを世では「ガス抜き」と呼ぶらしく、パンを焼くことが好きな私はおそらく語源であるガス抜きをパン生地でしたことがあるが、確かになんか気持ちいい。あと、発酵したパン生地の触り心地がものすごく好きだ。
話が逸れたが、暖かくなって発酵がしやすくなる頃までに、またパンを焼ける程度に心身が回復したらいいなと思う。
4月はとりあえず何にも焦らず休もうと思う。あくまでこれも、今の気分によるものなのだが……。