小さな生き物と暮らすこと
二年ちょっと介護した老犬が、今年はじめに虹の橋のたもとへ旅立った。
惚けてしまって夜泣きや徘徊をするようになり、夜中も頻繁に様子を見に行かなければならなかった。歳を取って身汚くなり、きれいな長い毛を「介護仕様」と称してざん切りカットにしたから、使い古しのぬいぐるみよりもぼろぼろのくたくただった。
いつ寝ているのか判らない生活が続いて、わたしは奪衣婆のごとく老け込んだ。それでも、存在そのものが日々愛おしかった。
「わたしより先に死んでくれなきゃ困るからね」
そう言いながらも本当