なんて気さくな人々!ドイツ(ケルン編)
タリス(ヨーロッパの長距離列車)に揺られてケルンに着くと、眼前に広がるライン川。「素敵!」童話の世界に憧れた女性ならやや発狂気味でこう言うだろう。ミュンヘンの駅で話しかけてくれたおじいさんは「ケルンに行きます。」と言うと「いい街だ。」と返した。本当にその通り。残念ながらその言葉以外は覚えていないけれど。
早起きしたのにタリスは3時間遅延したし、もう疲れたから寝るか。。。なんてね。そんなわけない。この日はスポーツ賭博場(僕はそう呼んでいる)に行くことにした。入店するのにチャージはなく、その気になればヨーロッパサッカーの中継を見放題だ。日本じゃ認められないだろうが、かなりいいと思う。
ビビり症な僕は、レアル・マドリード対バジャドリードの一戦に賭けることにした。世界のレアルだよ。勝つでしょ。
20ユーロを失った。その日はうつ伏せで寝て、朝起きたら枕が若干濡れていた。気のせいかな。
ケルンでは1泊のみで、すぐにブリュッセルに向かう。でもその前に、ケルン大聖堂は見ておかなくては。僕にとって旅のゴールの一つだからね。高等教育の世界史の資料集でそれを見たときには絶対にここに行こうと思っていた。スペインのサンチャゴ・デ・コンポステラにも行きたいね。名前が好き。
ああもうね。本当に大きい。本当に。写真を見れば、大きいことだけはわかってもらえると思う。恐る恐る中に入った。中ももちろん広い。でも、これだけは僕のつたない文章力ではどうしても伝えられないと思う。こう、何か、パワー的な、エネルギー的な、何かで満ちていた。(わかってくれ!)
春学期に履修した講義を思い出した。(印象的な授業で、ゲスト講師に山伏やら、SM嬢やら来て大盛り上がりだったんだけど、後々書きたいと思う。)アニミズムについて扱うもので、「そんな世界もある。」そんな感想だった。聖堂から出たときに、「神っているんだね。」安直だけど、率直な言葉が出てきた。日本人の大半は鈍感なだけで、人間ってアニミズム信仰と無縁でいられないのだと思う。ディティールまで拘った装飾に、大聖堂中に響き渡るミサ。きっと何かが宿っている。日本を出て初めて、そのことに気づくとは。