Taichi Sano

新聞記者を目指す都内学生。

Taichi Sano

新聞記者を目指す都内学生。

最近の記事

先生の筆を動かすもの

 中国残留孤児と呼ばれる人たちが空港に到着。そこで涙を流したのは、再開した家族だけでなく、記者と呼ばれる人たちだった。この現場を見たのは、長く新聞記者を務める僕の先生。  「そもそもジャーナリズムとは…云々」社会学を学べば、週に一度は聞く文言だ。権力の監視が役割の一つで、権力との対立は宿命。それがジャーナリズムらしい。  新聞記者は、そんな大層な旗を掲げて働いているんだ。すごいな。かっこいいな、なりたいな。  「俺を突き動かしてきたのは、社会への不条理なんだと思う。今

    • 政治参加って、かっこいい?

       時は麻生内閣、だった気がする。何やら大きな選挙があるらしい。小学生だった自分も、時代が動きそう、そんな空気は感じた。確かそうだった。  両親が今度の選挙について話すのを聞いていた。僕の印象に残っているのはこの言葉。「麻生さんが」「鳩山さんが」  知り合いなのかな?「さん」呼びって。いや、まず間違いなく面識がないのはわかっていたけれど、なんだか誇らしかったんだよな。どうしてだろう。  これは10年以上前の話だけれど、今も時々思い出す。そのくらいには僕にとって、印象深いこと

      • シェアリング・エコノミーと旅行業界—世代を超えたサービス普及へ

         気軽にツアー旅行を楽しみたいとき、頼れるのは旅行代理店だけではない。近年、何かと耳にすることが多いシェアリング・エコノミーが旅行業界でも目立ち始めている。旅行だけに限らないユーザー同士の関係構築を目指すサービスも展開される。    総務省のサイトによると、シェアリング・エコノミーとは、個人が保有する遊休資産(スキルのような無形のものも含む)の貸出を仲介するサービスだ。若者を中心に普及が進むこのサービス形態では、ソーシャルメディアなどを介したユーザー同士のコミュニケーション

        • 新しい年

           「境界のない世界がやってくる」先生がしばしば語る言葉だ。新聞が普及し、ラジオやテレビが茶の間にやってきて、インターネットが登場した。メディアの発達の歴史は、地理的境界の破壊そのものだ。  グローバル化がキーワードかと思った2010年代後半。どこかの国の大統領は隣国との国境に壁を造ると言い、他方では「ブレグジット」が話題になった。どうもメディアの歴史からは逆行しているようである。「境界のない世界」に向かう副作用のようなものか。  来たる2020年。オリンピックがやって

          ああ、また行きたい!ベルギー・ブリュッセル

           「ちょうどいいから遠回りして行こう。」大きな地図だけ見て、ドイツからオランダに向かうならベルギーにも行っちゃおう。そんな思いで来たこの国が、この旅のハイライトになるなんて。  着いた駅からホテルまでは、少し距離があるみたいだ。歩いていくと、何やら騒がしい。市場だ。例えるなら、祝日のアメ横のよう。そんな喧騒。果物は、日本の方が美味しそうかな。  ホテルに荷物を置いて、「どこに行こうか。」「とりあえず小便小僧じゃん?」「どこだろう。」Google マップを開くと驚いた。主要

          ああ、また行きたい!ベルギー・ブリュッセル

          理念の明文化と、そのスキマ

           憲法学者やアナーキストでもなく、特定の政治思想を持つわけではない空っぽな僕が思ったことなので、この考え自体穴だらけなのだが、忘れないうちに書き記しておく。  まだ誰も発見していない絶対的な正義が存在するとして、それは文章にできるものなのだろうかということだ。  「何だか中二病くさいな。」そう思ったが、続けることにする。  講義で名古屋テレビの『葬られた危機』を観て、思うところがあった。  時は湾岸戦争に遡る。米ブッシュ大統領は日本政府に支援を要請。要望にすぐに応えたい日

          理念の明文化と、そのスキマ

          なんて気さくな人々!ドイツ(ケルン編)

           タリス(ヨーロッパの長距離列車)に揺られてケルンに着くと、眼前に広がるライン川。「素敵!」童話の世界に憧れた女性ならやや発狂気味でこう言うだろう。ミュンヘンの駅で話しかけてくれたおじいさんは「ケルンに行きます。」と言うと「いい街だ。」と返した。本当にその通り。残念ながらその言葉以外は覚えていないけれど。  早起きしたのにタリスは3時間遅延したし、もう疲れたから寝るか。。。なんてね。そんなわけない。この日はスポーツ賭博場(僕はそう呼んでいる)に行くことにした。入店するのにチ

          なんて気さくな人々!ドイツ(ケルン編)

          【読まなくていいです】マリオ・バロテッリについて語らせてくれ

           それは確か、僕がまだ小学生の時。EURO2012だっただろうか。イタリア代表の青いユニフォームを纏った彼の右足から一閃!当時の世界最高ゴールキーパー、マヌエル・ノイアーは一歩も動けなかった。  「かっけぇー!!」その何年か後、彼の所属クラブチーム、ACミランのユニフォームを買ってもらった時はうれしかったなあ。  サッカー好きなら「悪童」でまず通じる彼の魅力について、瞬時のアウトプットが下手な僕のためにも、ここで述べておきたい。 ◎魅力その1:努力せずに才能だけで叩き込む

          【読まなくていいです】マリオ・バロテッリについて語らせてくれ

          なんて気さくな人々!ドイツ(ミュンヘン編2)

           ミュンヘンの市街地を満喫した翌日にはアリアンツ・スタジアムの見学ツアーに参加。ドイツの名門、FCバイエルン・ミュンヘンの聖地だ。  駅からスタジアムへは、だだっ広い道が続いていた。ホームチームの試合日には赤いユニフォームを着た観客で埋まってしまうのだろう。  アリアンツ・スタジアムが見えてきた。サッカーに関心が薄い人には「おっきいね」程度の感覚かもしれない。バイエルンの大ファンの連れは、かなり興奮していたな。少し鼻水出てた。  ツアーの時間が来るまで、ファンショップで爆

          なんて気さくな人々!ドイツ(ミュンヘン編2)

          アリストテレスの散歩と僕

           「彼は湖のほとりを散策しながら思案した。」「彼はリュケイオンの歩廊を散歩しながら学生に講義した。」アリストテレスの学派が逍遥学派と呼ばれた所以だ。    聞けば、歩くことは脳の血流を増やし、脳機能が活性化することにつながるらしい。アリストテレスが学問の祖と呼ばれるようになった数々の発想は、彼が散歩が思考に与える影響を知っていたから生まれたのか。  僕も歩くことが自分の考えに与える影響を感じ始めた一人だ。  自転車で駅に向かう5分を徒歩で向かう15分に変えるだけで、何か

          アリストテレスの散歩と僕

          なんて気さくな人々!ドイツ(ミュンヘン編)

           フランクフルトを出た高速バスの車窓から景色を眺めると、久々に都市の街並みが見えてきた。途中に通ったニュルンベルク以来の都市部。既に21時をまわっていただろうか。Wi-fiが繋がって連絡をとると、合流予定の友人は既にホテルの部屋で待っているみたいだ。  異国の土地で多少の苦労はあったものの、やっとホテルにたどり着くことができた。言葉も土地勘もわからない国で友達と再会した時の感動ときたらもう!!興奮冷めやらぬままに夜のミュンヘンに繰り出した。  フランクフルトとは対照的に、

          なんて気さくな人々!ドイツ(ミュンヘン編)

          なんて気さくな人々!ドイツ(フランクフルト編)

          「夏休みだし、遊び呆けてやるぜ!」  ヨーロッパの「プチ横断」の最初の国に選んだのはドイツだった。訪れたのはフランクフルトに1日、ミュンヘンに3日間、ケルンに1日だ。友人と3人で行動した。今回はフランクフルトについて書こうと思う。  初めてのユーラシア大陸、降り立ったのはフランクフルトだった。費用を抑えるため、Airbnbで予約した民家に向かって歩くと、大した距離でもないのに目に飛び込むのは広場、公園、広場…って広場多すぎ!今思えば、彼らの心の余裕は豊かなスペースを使った

          なんて気さくな人々!ドイツ(フランクフルト編)